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2011年6月

6月 30 2011

アトピー性皮膚炎とスキンケア

今日は前回に引き続き赤ちゃんのスキンケアのお話しです。今日はアトピー性皮膚炎のお話しになります。

○アトピー性皮膚炎が出てきます
 お母さん方の関心が高いアトピー性皮膚炎はどの時期に起こってくるのでしょうか?
アトピー性皮膚炎は生後2~3カ月ごろからその傾向が出てきます。
最初耳たぶに赤ぎれの様なものが出現してきます。これがアトピー性皮膚炎が始まっていくという合図です。

○生後1年位のスキンケアが…
 前回は脂漏性湿疹のスキンケアのお話を中心にしましたが、アトピー性皮膚炎もスキンケアが大事ではないかという意見が出てきました。
しっかりとした保湿ケアにてアトピー性皮膚炎にかからない身体になるのでは、という議論があるようです。

○病院に相談するタイミングは…?
 では、病院にはどんなタイミングで相談すればいいのでしょうか?
赤ちゃんがかゆみで寝れなかったり、引っかき傷で血がにじんでいる場合には医師に相談されるのが良いでしょう。このような症状が現れた際には、早めに相談されることをお勧めします。酷くなってからでは治癒も遅れます。

今日はアトピー性皮膚炎とスキンケア、初発時の対応についてのお話でした。

6月 29 2011

慢性円盤状エリテマトーデス(discoid lipus erythematodes)

今日は慢性円盤状エリテマトーデスという聞きなれない病気のお話です。

○全身性エリテマトーデス(SLE)とはどう違うのですか?
 全身性エリテマトーデス(SLE)に罹ってしまわれている方もいらっしゃると思います。この病気はリュウマチの親せきのような病気なのですが、このSLEは全身的にいろいろ症状が表れるのに対して、慢性円盤状エリテマトーデスは皮膚に症状が表れる病気です。

○症状は…
 典型的な症状は頬部や下口唇に紅斑を作ります。紅斑とは皮膚上に現れた赤い斑点のことで、軽く押すと赤みが消えます。
ただし紅斑に似た別の病気もあるので、医療機関での診察は必須といえるでしょう。

○どんな治療ですか?
 ステロイドの塗り薬を塗っていただきます。また場合によってはステロイドの内服も飲んで頂かなくてはなりません。
また保険適応外のお薬もあります。アトピー性皮膚炎の治療薬であるプロトピック軟膏というものです。またマラリアに対する薬であるハイドロキシクロロキンというお薬があります。ただし後者は日本にはないので、プロトピック軟膏だけということになります。

大変珍しい病気であり日光が悪化因子なので治りにくいことは事実です。日光を避けづらい口唇に出来るわけですから。それゆえに医療機関と相談しながら治療していただく必要が高い疾患といえるのではないでしょうか。

6月 29 2011

コンタクトレンズは眼科の先生に処方していただきましょう

 学生さんは夏休み前になると眼がねからコンタクトレンズに変えたいと、コンタクトレンズの処方を希望される場合が多いようです。
今日は初めてコンタクトレンズを購入される方に購入時の注意点などの話です。

○しっかり管理をしましょう
 コンタクトレンズは使用に当たって、いろいろ注意をしなくてはなりません。なんといっても眼に直接するので、清潔に保たなくてはなりません。コンタクトレンズをしっかり衛生的に管理ができなくてはダメだということです。

○眼科医院で各種検査を受けてください
 処方を希望される方は眼科医院での各種検査が必要です。視力・眼圧・眼底や細隙灯顕微鏡検査といった眼科の一般的な検査を受けていただき、病気がないかどうかを確認する必要があります。
また、直接眼に接触するものなので涙の量が正常かどうか?も重要になってきます。こちらの検査も必要になってきます。

○処方自体には保険が適応されます
 処方自体には保険が適応されます。ですから、眼科医院に行かれる際は保険証が必要になりますので、忘れないようにしましょう。

6月 29 2011

乳児のスキンケアについて

今日は乳児のスキンケアについてのお話です。スキンケアというと、女性のお肌のお手入れのイメージをお持ちになられると思います。しかし、生まれたばかりの赤ちゃんにとってはそれまでに肌が空気に触れるという経験がありません。肌にとっては過酷な環境にさらされるというわけです。
また、赤ちゃんはその時期によって肌のコンディションが変わっていきます。そのコンディションによって出現するトラブルも変わってきます。
今日はお肌の時間的変化とトラブルについてのお半死を進めていきます。

○まずは脂漏性湿疹から
 生まれてすぐに経験するお肌のトラブルとして、脂漏性湿疹があります。これは生まれてすぐは、皮脂が多量に出ることによります。よって、ほぼすべてのお子さんが関係することになります。この場合は丁寧に皮脂を取り除いてあげることが先決です。

○ムチムチした肌に…
 赤ちゃんは肌がムチムチしている分肌がすれたり重なったりして、風通しが悪くなっています。そうすると湿カンジダ菌がたまって湿疹が出来たりします。
この場合酷い時には抗真菌剤が必要になることもありますが、殆どはきれいに洗ってあげることで十分に対応可能です。

○洗ってあげる時の注意事項
 では、肌を洗ってあげるときにどんな事を注意したらいいのでしょうか?
まず石鹸選びですが、弱酸性の石鹸を使ってください。肌のコンディションは弱酸性なので、それに合わせたものということです。そして当然ですが、しっかり洗い流さなくてはいけません。

○保湿剤はぬってあげましょう 
 洗った後は保湿剤をぬってあげましょう。というのも洗ってあげることで肌のバリア機能が低下します。それを補う目的で使います。
保湿剤は軟膏・クリーム・ローションなど色々な剤形がありますが、1点注意が必要です。パラペンという防腐剤が入っていないものを使う必要があるのです。

今日は赤ちゃんのスキンケアのお話でした。

6月 28 2011

離乳食の具体的な流れ

 今日も離乳食のお話です。特に今日は離乳食の具体的な流れについてお話しさせていただきます。今回は厚生省離乳食幼児食研究斑の「授乳・離乳の支援ガイド」2007年に基づくお話です。

○離乳食開始時期は…?
 離乳の開始は5~6カ月頃が望ましいと思われます。1日1回1さじずつ、すりつぶした食品を与えます。中身は最初は‘すりつぶしがゆ’から始め、野菜や豆腐・白身魚などです。

○7~8カ月は…?
 この時期から1日2回食になっていきます。そしていろいろな味や舌触りを楽しむの
を覚えるため、品目を増やしていってください。また舌でつぶせる程度の硬さにしてください。具体的にはご飯はおかゆ50~80gで、野菜または果物を1回あたり20~30g、肉・魚・豆腐のどれかを10~15gといった具合です

○9~11カ月
 この時期から3回食になります。また家族と一緒にとることで、家族団欒の楽しさを経験させることも狙いの一つです。ご飯はやや硬めのおかゆないしは軟飯80~90gで、野菜・果物を30~40g。肉・魚・豆腐のどれかを15gといった内容です。硬さは歯茎でつぶせる程度が良いでしょう。
またこの時期に鉄分補給のためのフォローアップミルクもとっていくといいでしょう。

○12~18カ月
 このころは手づかみで食事をとることを覚えさせるのも効果的です。自分で食事をとることの楽しさを覚えさせるのです。
ご飯は軟飯からいよいよ通常のご飯になっていきます。量は更に増えて80~90gです。
野菜は40~50g、おかずもそれぞれ15~20gと増量です。

今日は離乳食の具体的な進行具合のお話でした。

6月 27 2011

離乳食のおはなし

今日は赤ちゃんの離乳食のお話しです。離乳食は通常生後6カ月くらいから始めるものです。最近の離乳食指導はかつての栄養摂取を重視したものから、アレルギーや将来の生活習慣病を予防するものへと変わってきているようです。

○5~6カ月位に開始です
 離乳は生後半年くらいから開始します。それは新生児のうちは噛まずに吸いこもうとする能力(吸綴反射)があり、これがあるうちは離乳ができません。この反射が生後半年位でなくなっていくのです。

○離乳食トレーニング
 生後半年くらいで始めた離乳は、7~8カ月くらいになると舌とあごを上手に協調させて動かすようになります。このころになると豆腐程度の硬さなら押しつぶせるようになります。
 さらに9~11カ月頃になると歯茎で物をつぶせるようになるため、バナナ程度の硬さのものを食べられるようになります。なおこの頃乳歯が生え始めますが、物を噛むのに必要な第1乳臼歯は12~18カ月頃に生えてくるので、この時期が離乳の完了時期になります。

○“噛む”という行為が大切です
 物を噛むのに必要な第1乳臼歯が生え始めたころに“噛む”という行為を身につけさせる必要があります。これをおろそかにするといつまでも丸呑みしようとしたり、お茶で流し込んだり吸うようにして食べたりといった行動が治りにくくなります。その結果3歳ころになっても摂食機能が未発達なままということになりかねません。

次回は離乳食の更に具体的な流れについてお話をいたします。

6月 26 2011

肺炎球菌と肺炎球菌ワクチンのお話し

 今日は細菌性髄膜炎の原因菌のひとつである肺炎球菌と、そのワクチンである肺炎球菌ワクチンのお話しです。

○肺炎球菌とは…?
 肺炎球菌とは以前にこのブログでも紹介したインフルエンザ菌と同じく、髄膜炎の原因となる菌の一種です。この菌が何らかの原因で体内に入ると、肺炎や中耳炎、副鼻腔炎(ちくのう)を起こし、さらには肺や脳にまで波及して肺炎・髄膜炎になってしまいます。

○髄膜炎はどうして怖いのでしょうか?
 髄膜炎とは脳を包んでいる膜(髄膜)に細菌が波及し、炎症を起こした状態です。当然すぐ近くの能にも影響が及び、重い後遺症をのこします。

○ワクチンで防ぎましょう
 肺炎球菌に攻撃の的とされるのは主に乳幼児と高齢者です。
現在国内では乳幼児にはプレベナー、高齢者にはニューモバックスという名前の肺炎球菌に対抗するワクチンが接種できます。残念ながら任意接種のため自己負担が必要です。しかし自治体によって公費助成があるところもあり、一度確認されるといいでしょう。

肺炎球菌は重い後遺症や死にいたる病原菌です。ワクチンによってしっかり免疫をつけて患わないようにしましょう。

6月 25 2011

子宮頚がんワクチンについての一考察

 今日は子宮頚がんワクチンについてのお話の続きです。
現在国内で販売されているのはグラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」という製剤だけですが、すこし疑問が残るところがあります。

○効果は16型と18型です。
 サーバリックスは海外で開発された製剤です。海外において子宮頚がんの原因がヒトパピローマウイルス(human papilloma virus:HPV)のなかでも16型と18型であることがつきとめられ、それに対するワクチンとして開発されました。
その後海外で劇的に有効性があることが証明され、日本に輸入されてきました。

○日本の子宮頚がん事情
 しかし日本の子宮頚がんの原因菌は、多くは52型と58型です。
そうなると、サーバリックスは効果がない偽物じゃないか?ということになります。

○クロスプロテクションとは…?
 ここで『クロスプロテクション』という言葉を覚えてください。
これは16、18型にしか効果がないはずなのに、他の型のウイルスの防護効果があるということです。しかし、現状では52,58型にクロスプロテクションがあるという報告はありません。

○想定外の型で発がんしました。
 海外の研究でサーバリックスを接種したひとに、違う型が原因と思われる発がんが見つかったという報告があります。ただし16、18型は完全にブロックしていたそうです。

○ワクチンを接種しましょう
こうなるとワクチン接種の意味に疑問が残りますよね。
しかし私は接種をお勧めします。そのうえでしっかり子宮がん検診を定期的に受けられことをお勧めするのです。それはクロスプロテクションにわずかでも期待するのと、がん検診で漏れてしまったらどうするのか?ということです。
より強固にブロックする方法が一つ増えたと考えていただきたいのです。“石橋を叩いて渡る”ということですね。

子宮頚がんワクチンについて2回にわたってお話をさせていただきました。

6月 24 2011

小牧市医師会講演会に参加してきました

小牧市医師会「認知症の外来診療」~公立陶生病院神経内科部長 湯浅浩之先生~ を受講してきました

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認知症はいわゆる“老人ボケ”のことで、近年日本でも新しく使える薬が増えてきました。
しかし、進行しすぎた認知症にはいずれも効果がないため、やはり“まずは予防”が大切であると再認識しました。
これからは当院の診療にも“ボケ防止”を積極的に取り入れていこうと思っています。

6月 24 2011

子宮頚がんと子宮頚がんワクチン~ガンは予防できます~

 今日は子宮頚がんと子宮頚ガンワクチンのお話です。子宮頚がんとは子宮の入り口にできるがんであり、ヒトパピローマウイルス(human papilloma virus)というウイルスに感染することで発症します。

○子宮頚癌の動向
 子宮頚がんは国内では年間1万5千人が発症し、2千500人が亡くなっている疾患です。また死亡に至らなくても不妊症になるケースが多く女性にとっては重大事です。
そして最近の傾向としては20代~30代の死亡率が急増していること、91年からの10年間で35~39歳の死亡率が2倍になっておりことです。

○どのようにして感染するのでしょうか?
 ヒトパピローマウイルスは性交によって感染します。男性から女性に感染するのです。
感染しても通常90%の確率で身体の免疫機能や生理によって排除されますが、何らかのアクシデントで残ってしまうと発症の危険が高まるというわけです。ということは、当然性交の回数が多いほうが感染する確率が多くなります。
もっといいならば、近年低年齢化してきたということは、10代の性の乱れが原因とみていいと思われます。

○国内でのワクチンの現況
 現在国内では1種類のワクチンが接種できる状況です。グラクソ・スミスクライン社の『サーバリックス』がそれで、ヒトパピローマウイルスのうち子宮頚がんの原因である16型と18型に効果があります。

今日は子宮頚がんとそのワクチンについて少しだけお話をしました。次回はワクチンについてもう少し突っ込んだお話をいたします。

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