8月
31
2011
今日はアトピー性皮膚炎の診断についてのお話です。
アトピー性皮膚炎といえば小児の代表的な皮膚病ですね。アトピーにかかると長期の治療が必要になってきます。
お母さん方も自分の子どもがアトピーにかかったらと思うと心配でしょう。それゆえアトピーか否か?ということに神経質になるお母さんも見えます。
しかし、ちょっと待ってください。
子どものかゆみを伴う皮膚病は、たちどころにアトピーとしてしまっていいのでしょうか?
生後1カ月頃の子どもさんには“カンジダ性間擦疹”が首からわきの下にかけて、“新生児挫創”“新生児紅斑”が顔面から胸部にかけて表れることがあります。
また2カ月頃には脂漏性湿疹を発症します。
いずれもかゆみを伴うことがあり、お母さんにとっては“アトピーでは?”と心配になってしまうことなのかもしれませんね。
このようにアトピーをうたがっても、すぐに思いこんではいけないということです。
しっかりこれらの疾患と区別して、その後にアトピーであれば塗り薬などの治療をしていくというわけです。
8月
30
2011
今回はアトピー性皮膚炎の悪化因子の中でも住居環境に関するお話です。
○ダニについて
ダニ、とりわけヒョウヒダニはアトピー性皮膚炎の悪化因子です。患者さまの抗体検査をすると高率に感作されていることが分かります。よってアトピー性皮膚炎の患者さまは家の掃除が大切です。またじゅうたんや布製のソファーやぬいぐるみにダニが付着していることが多く、使用を控えるとよいと思います。
ただしアトピー軽減目的の高価な寝具は使用してもさほど意味がないことが分かっていることも併記しておきます。
○気候・花粉
アトピー性皮膚炎の患者さまは冬に増悪する方と、夏に増悪の方がいます。
乾燥肌タイプは冬に、伝染性膿化疹(とびひ)を伴うタイプが夏に悪化すると言われています。また春から夏の汗をかき始めるころに悪化する方も散見します。
また花粉との関与も考えられています。
花粉症を合併した患者さまは、スギ花粉によって皮膚炎が悪化することが多いのです。
○ストレス
アトピー性皮膚炎の患者さまは幼小児期と18歳前後に多くみえます。
そのことから受験勉強や慢性的な疲労が原因の一つと考えられています。これはストレスが皮膚をひっかく行動に結びつくためと考えられているためです。
8月
29
2011
アトピー性皮膚炎の悪化因子には“発汗”“掻破”“外部環境”“細菌・真菌”“ストレス”“接触抗原”があります。
今日からそれらについて、色々とお話をさせていただこうと思います。
○アトピー性皮膚炎と発汗
まだまだ暑い日がしばらくは続きそうですが、アトピーの方にとって夏はつらい時期です。皮膚症状が悪化するからです。
その病態として、汗の直接的な刺激と成分に対するⅠ型アレルギー反応、汗に溶け込む原因物質(ハウスダスト・ダニ)に対する反応、あるいは体温の上昇によります。
一方アトピーの方は発汗が低下しています。これは末梢神経が障害されていると考えられています。もともと発汗には皮膚の保湿作用や抗菌作用・体温調節作用という側面もあるのでこれら機能をそこなうのは良くありません。
そこのようなことから悪化対策が必要となってきます。室温調節や発汗後のシャワー、その一方で発汗機能回復を目的とした入浴での積極的な発汗促進です。
8月
26
2011
アトピー性皮膚炎の悪化因子には“発汗”“掻破”“外部環境”“細菌・真菌”“ストレス”“接触抗原”があります。
今日からそれらについて、色々とお話をさせていただこうと思います。
○アトピー性皮膚炎と発汗
まだまだ暑い日がしばらくは続きそうですが、アトピーの方にとって夏はつらい時期です。皮膚症状が悪化するからです。
その病態として、汗の直接的な刺激と成分に対するⅠ型アレルギー反応、汗に溶け込む原因物質(ハウスダスト・ダニ)に対する反応、あるいは体温の上昇によります。
一方アトピーの方は発汗が低下しています。これは末梢神経が障害されていると考えられています。もともと発汗には皮膚の保湿作用や抗菌作用・体温調節作用という側面もあるのでこれら機能をそこなうのは良くありません。
そこのようなことから悪化対策が必要となってきます。室温調節や発汗後のシャワー、その一方で発汗機能回復を目的とした入浴での積極的な発汗促進です。
8月
25
2011
アトピー背皮膚炎の治療の要諦は…
『炎症』にたいしてはステロイドやタクロリムス軟膏というカテゴリーの塗り薬を、『生理学的機能異常』には保湿剤・保護剤を含むスキンケアを、『痒み』には抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤の内服剤を用います。
そして悪化因子を可能な限り除去することが大切です。
8月
24
2011
きょうもNAFLDのお話しをさせていただきます
○最終的には肝臓ガンです
NAFLDの怖いところは最終的に肝臓がんに進展するところです。
しかも血液検査上では変化に乏しいので、発見がしづらいという特徴があります。
○肥満の改善が大切です
ではこのような悲劇的な結末にならないようにするには、どうしたらいいでしょうか?
やはりしっかり肥満を改善し、NAFLDにならないようにすることが一番のようです。
NAFLDはイマイチ病態が分かっておらず、そのため治療法がありません。
そのため暴飲暴食を避けることが一番の薬のようです。
8月
23
2011
今日はNAFLD(ナッフルド)についてのお話しです。
○NAFLDとは・・・
NAFLDとは『明らかな飲酒歴がないにもかかわらず、肝臓の組織学的所見がアルコール性肝障害に類似した、主に大滴性の脂肪沈着を特徴とする肝障害』とされています。
○日本人には多いようです
NAFLDは欧米の方に比べて肥満度の割に多いとされています。成人の10~30%が相当するというデータもあるくらいです。
どうやら日本人は相対的に肝臓が弱いといえそうです。
○NAFLDはどのように進行するのでしょうか?
NAFLDは肝硬変になっていくことが問題とされています。
肥満やインスリン抵抗性を背景に、幹細胞へ脂肪が沈着していきます。そこに何かの刺激が加わると肝硬変になっていくと推定されています。
またその過程で肝炎を呈してきますが、その状態を非アルコール性脂肪肝炎(NASH)といいます。
8月
22
2011
きょうは肝臓疾患と肥満のお話をさせていただこうと思います。
○まずは肥満について…
厚生労働省国民健康・栄養調査によると日本ではBMI25以上を“肥満”と定義しており、男性の29%、女性の21%が相当するそうです。
なお増加率はここ20年間で男性は1,5倍に、女性は横ばいになっているそうです。
○肥満は肝臓に影響します
肥満が高度になるほど肝臓に影響が出てきます。
具体的には『脂肪肝』という状態になり、BMIが23以下では3%位しか脂肪肝が見られないのが、25~30で35から50%、30を超えると75~80%に増加していきます。
○アルコールが大敵です
脂肪肝にはアルコールが大敵です。アルコールとともに摂取する食べ物が原因となるのですが、通常お酒だけ飲むわけではないので結局カロリーが多くなります。それで肝臓に脂肪が蓄積するというわけです。
○アルコールを飲まなくても…
しかし近年アルコールをそれほど多くは飲んでいないにもかかわらず、肝臓にアルコールの大量摂取の時と同じような状況を作ってくる病態が注目されています。
これを非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:nonalcoholic fatty liver disease)といいます。
次回はこのNAFLDについてのお話しです。
8月
21
2011
今日は横紋筋融解症という病気についてのお話しです。
○横紋筋融解症とは…
横紋筋融解症とは身体の筋肉が壊れて、壊れた筋肉が主に腎臓に悪さをしてしまう病気です。原因としては当然交通事故のような大きな外傷や、普段飲まれている薬があげられます。症状は筋肉が壊れるのですから当然筋肉痛ということになりますが、実際は自覚症状に乏しいことが殆どです。
○薬が影響するとは…?
先ほど“薬が影響する”といいましたが、とても気になりますよね?
横紋筋融解症の原因となる薬剤は主に抗精神薬・抗不安薬です。ほかにコレステロールを下げる薬のうち、スタチンと呼ばれる種類の薬も原因になることがあります。
また、薬ではありませんがサプリメントも原因となることが報告されています。
○ほかに鑑別する疾患は…?
他には筋肉の病気が鑑別のポイントになります。筋疾患や神経筋疾患と呼ばれる病気で、珍しい病気といえます。
○発見方法は…?
自覚症状に乏しい・腎臓に悪さをするといいましたが、ではどのように発見するのでしょうか?
これは血液検査しかありません。血液中のCKという値をチェックしていき、異常に高値になってきたらこの疾患を疑います。そして考えられる原因が薬剤ならば、それをストップします。さらに腎臓に悪さをしているような痕跡が見つかれば、総合病院にいっていただくことになります。
今日は横紋筋融解症についてのお話でした。