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2011年7月

7月 29 2011

大学入学、保育・教職課程や医療系の方のワクチン接種

 大学入学の際や保育・教職課程または医療系学科にあって現場実習のため、はしか(麻疹)・3日はしか(風疹)・おたふく(流行性耳下腺炎)・水ぼうそう(水痘)の抗体検査が必要な方へのお話しです。

○4種類の免疫抗体の確認が不可欠です
 まず上記4疾患に関しての罹患の既往をお聞きして、必要に応じて抗体検査をさせていただきます。この際母子手帳を持参していただけると助かります。
なお4疾患ともに必須と理解してください。
保育・教職課程の学生の方はいわば流行のまっただなかに実習に行かれるわけです。小児期にこれらのワクチンを接種されている方でも、時間がたつとその効果が薄れている可能性があります。
また抗体が少ない方が大学に入学している、というのが日本の現状でもあります。

日本のワクチン行政はアフターフォローが甘いというのが現在のおかれた状況です。抗体検査を積極的に行って、無駄な罹患をしないようにしたいですね。

7月 28 2011

各疾患の抗体検査の評価

各種ワクチン接種時のウイルス抗体価の評価方法

麻疹(はしか Measles)
 NT法 4倍以上で陽性
 PA法 256倍以上が陽性 ※保険未適応
 HI法 8倍以上が陽性  ※ただし接種後5年くらいまでにしか使えない

風疹(3日はしか Rubella)
 HI法 男性16倍以上が陽性
 妊娠希望の女性 32~64倍以上が陽性

流行性耳下腺炎(おたふく ムンプス Mumps Parotitis)
 ELISA/IgG 6.0以上が陽性

水痘(水ぼうそう Chicken pox Varicella-Zoster)
 IAHA 2倍以上が陽性
      4倍以上を陽性(ワクチン未接種者) ※一部の検査センター
でしか出来ない
 ELISA/IgG 4.0~6.0以上が陽性

このようにワクチン抗体価は調べる方法が決まっているのです。

※名鉄病院予防接種センター資料より

7月 27 2011

麻疹ワクチンの抗体検査

麻疹ワクチンのウイルス抗体価の測定方法は決まっていて、方法を間違えるとちゃんとした評価が出来ない恐れがあります。

NT法…4倍以上が陽性    4倍未満は追加接種の推奨基準
               安価で信頼性が高いが結果報告まで1週間かかる
                 ※NT法が基本検査法と考える

PA法…256倍以上が陽性   128倍以下は追加接種の推奨基準
               保険未収載…保健センターで行う

HI法…8倍以上が陽性    8倍未満は追加接種の推奨基準
               安価で結果報告が3日と早いが信頼性に欠ける。
評価対象は接種後5年くらい(つまり子どものみに適応)

ELISA/IgG      感度も鋭敏で結果報告も3日と早く、信頼性が高い
               陽性基準が決まっていない
               3倍の値段がかかり大変に高価

今日はワクチン抗体価の測定方法のお話でした。

※名鉄病院予防接種センター資料から抜粋

7月 26 2011

結核治療のお話し

今日は結核治療のお話をいたします。

○多剤併用療法です
 結核の治療は多剤併用療法です。これを6~9カ月と長期にわたり行います。
しかし昔との大きな違いは長期の入院を必ずしも必要としないということです。
喀痰検査で菌を排出していないことが判った場合は、なにも入院の必要までありません。退院して自宅にて療養していただくことになります。
ただし薬の服用は続けていただかなくてはなりません。中断によって結核の再燃が起こったり、いい加減な服用で耐性化を招いたりします。
そこで直接監視下療法(DOT:directly observed therapy)となります。これは読んで字のごとくで、係員が見ているところで薬を服用してもらうというものです。それは患者さまが退院しているときも同様で、係員がお家までうかがって飲むところを監視するというものです。

○新薬が最終段階に入りました
 結核に対する新薬の治験が最終段階に入っているようです。この薬は治療期間の短縮が期待できるもので、大変に期待されている薬です。

今日は結核の治療についてのお話しでした。

7月 25 2011

結核の診断法のお話し

今日は結核の診断法に関するお話です。

○喀痰検査が必須です
 結核を診断するうえで大切なのは喀痰検査です。3日連続で早朝に採取した喀痰を検査します。
その時検査方法としては3つあります。
まず一番基本的な検査に塗抹検査法があります。この検査で結核菌は赤く染まりますが、同時に非結核抗酸菌も赤く染まってしまいます。
またPCR法などの核酸増幅法、分離培養法などもあります。

○感染していても発症していない方は…?
 よく高齢の方に「昔ご兄弟が結核にかかった。私は大丈夫だったけど。」といわれる方が見えます。そのような方は結核菌を持っていないのでしょうか?
結核は菌に感染していても発症せずにいる場合があります。この場合感染の有無を知っておくことが必要です。
その方法としましては近年2つの方法があります
ひとつは「インターフェロンγ法」と呼ばれるもので、もうひとつが「クオンティフェロン」という方法です。どちらも血液検査で行うもので、精度も高い検査です。

次回は治療のお話をいたします。

7月 24 2011

結核についてのお話し

 今日は結核についてのお話です。
結核というと過去の病気というイメージがありますが、まったくそんな事はありません。

○まだまだ多い…
 結核の患者さまはどれくらいいるのでしょうか?
結核罹患率は人口10万に対して19人です。これは人口3万人程度の町に2カ月に3人のペースで新規患者さまが発生しているということになります。
この数字は国際的にみると“中蔓延国”という位置で、決して日本が結核を過去の病気として忘れてはいけないという証拠です。

○大都市の高齢者が要注意です
 ではどんな方に多いのでしょうか?
患者さまを年齢別でみると若い人は10万人当たり10人位ですが、60代で20人、70代で40人、80代で88人とどんどん増えていく傾向にあります。
また結核は人口密集地域に蔓延する傾向にあり、大都市圏に患者発生率が高いようです。

○症状に特徴は…?
 結核の症状といえば咳です。ただ、“これぞ”という症状はなく、長期にわたる咳の場合レントゲン撮影や痰の検査などを追加して診断していきます。
また咳は若い患者さまには顕著ですが、高齢の方にはそれほど目立ちません。

次回は結核の診断法のお話です。

7月 23 2011

花粉症の特殊治療

今日は花粉症の特殊治療のお話です。前回までにお話をしたお薬での治療ではコントロールできない場合に考慮します

○外科治療
 外科治療として“レーザー治療”と“高周波電気焼灼”という方法があります。これらはともに鼻の粘膜を焼いて鼻みず・鼻づまりをしないようにしてしまおうというものです。違いはレーザーは治療終了まで2~3回かかるのに対し、高周波は1回で終了できます。
ただしここで落とし穴があります。
この治療の効果はせいぜい2~3シーズンしか持たないということです。しかもこれは治療後にも、鼻洗浄をいわばメンテナンスとして行っていった場合で、ほおっておけばシーズン持つのがやっととなります。

○減感作療法
 何やら難しい名前の治療法ですが、要は花粉に慣れているということです。
方法は花粉のエキスを少しずつ注射していきます。この治療は2~3年という時間がかかるのがネックですが、どんどん効果を実感していく治療法です。
近年は注射による方法が危険を伴うということで、飲む薬があります。
しかし日本では治験がスタートしているようです。当然認可が下りていないのでまだまだ夢の治療ということになりますが。

今日は花粉症の特殊治療のお話しでした。

7月 22 2011

岩倉市医師会講演会に参加してきました

岩倉市医師会講演会「認知症薬物治療の実際」
講師~名古屋大学医学部付属病院老年内科梅垣宏行先生~を受講してきました。

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近年、認知症の新しい薬が発売されました。従前と同じく病気の進行を遅らせる薬で、病気が治る薬ではありません。
しかし、少しでも人間らしい生活をするために、遅らせたほうがいいに決まっています。

当院でもみなさんに貢献できるよう、多くのものを学ばせて頂きました。

7月 22 2011

花粉症の薬物治療

今日は花粉症の薬物治療のお話です。

○まずは鼻の洗浄をしてください
 鼻洗浄はかなり効果があります。寝ているときは花粉は鼻につきっぱなしなので、花粉は粘膜に作用し続けています。その点寝る前にしておけば朝がかなりスッキリした状態で起きられます。『鼻クリーン』という器具を使って水溶性アズノールといううがい薬をお使いになられるのが良いでしょう。

○抗ヒスタミン薬が中心です
 花粉症の場合抗ヒスタミン薬というカテゴリーの薬が治療の中心です。
ヒスタミンとは花粉が体内に入った後に、身体においてアレルギー反応を起こさせる物質です。これに対抗する薬を抗ヒスタミン薬というのです。

○眠気は少なくなりました
 抗ヒスタミン薬というと眠気のことがクローズアップされます。
花粉症の薬を飲むと車の運転が出来ないと言われてきました。しかし最近発売された薬はそのようなことが少なく、よって車の運転も十分出来ます。

○くしゃみ、鼻づまりには…?
 花粉症の症状としてくしゃみ・鼻づまりがあります。このような症状にはどのように対処すればいいのでしょうか?
くしゃみには抗トロンボキサンA2薬、鼻づまりには抗ロイコトリエン薬というカテゴリーの薬が効果があると言われています。
また内服薬だけではなく点鼻薬も効果的です。ステロイドの点鼻薬は鼻づまりに良いといわれています。

○眼のかゆみには…?
 眼のかゆみには鼻づまりの時と同じように、眼薬を使うのが良いとされます。
また眼の症状を抑えることで花の症状がある程度軽減できると言われています。うまく使うと良いと思われます。

○花粉症が始まる前に…
 近年提唱されてきていることで、花粉が飛び始める前に治療をスタートするといいと言われています。だいたい2週間前に治療を始めると効果抜群といわれています。
来年の花粉症シーズンにはぜひとも検討されることをお勧めします。

○古いお薬を使うこともあるんです
 花粉症が一気に始まってしまい、どうにもならなくなっている方には古いタイプのお薬を使うのが良いとされています。セレスタミンという薬は抗ヒスタミン薬にステロイドが入った薬ですが、これを数日間使ってそののちに通常のお薬にスイッチしていく治療がいいとされています。ただし良く効くので“また欲しい”と言われますが、ステロイドを長期間使うと身体に良くないので、本当に耐えられない数日間を乗り切るための薬と思っていただけると幸いです。

今日は花粉症の一般的な治療についてのお話でした。

7月 21 2011

花粉症について・・・

 暑い日が続きますが、今日は花粉症についてのお話です。
今日はとくに花粉の飛散のお話しにスポットをあててお話をします。

○夏の気象状況が影響します
 花粉の量は前年の夏の暑さが影響すると言われています。つまりより“高温多湿”であるほど花粉が多く作られるのです。その意味では来年の夏は厳しい状況が予想されます。
ただ、ここで落とし穴があります。昨年は猛暑で花粉も多く飛ぶだろうと言われていました。しかし実際はそれほどひどい症状を呈するわけではありませんでした。
それは暑さのあまり植物が枯れてしまい、花粉が飛ばなかったというわけです。

○花粉が飛ぶ条件は何でしょうか?
 春になれば花粉は飛ぶわけですが、植物とて種の保存のためには必死です。暖かくなったからといってすぐに花粉を飛ばしてしまって、花粉がダメになってしまってはどうにもなりません。
どんな状況になったら飛ばすのでしょうか?
花粉は“日照時間”と“気温”の両方の因子で飛ぶタイミングが決定されるようです。植物にしてみれば飛んだあとの発芽の問題もありますから、より発育に良い時かどうかを見極めるうえで2つの要素があるのでしょう。

今日は花粉の飛散のお話でした。次回は治療のお話しを中心にします。

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