6月 16 2011
おたふくワクチン(ムンプスワクチン)について…
今日はおたふくワクチンのお話しです。
○わが国では任意接種です
おたふくワクチン(ムンプスワクチン)は生後12カ月以上の未罹患の子どもを対象としています。ただし定期接種ではなく子どもの親の自己判断・自己負担、いわゆる“任意接種”の形をとっています。
○ワクチンの能力
おたふくワクチンは抗体陽転率(…つまり成功率)が90~95%と大変良い性能を持っています。せっかく接種しても抗体がつかない、一次性ワクチン不全(primary vaccine failure)の可能性が低いのです。
また地域での流行時や家族内で患者さんが出た際の有効率は75~90%と、こちらも大変に良い成績です。
○副作用は…?
ムンプスワクチン接種後の副作用としては、接種2~3週に一過性耳下腺腫脹や発熱が2~3%にみられます。
またかつて重篤な副作用としてアナフィラキシー・全身性蕁麻疹がありました。しかしこれはワクチンに含まれているゼラチンが原因であることが分かっており、現在は含まれていません。
しかしこのような歴史が定期接種から外れてしまった理由となって、いまに至っているのです。
○ムンプスワクチンの今後
ムンプスワクチンのこれからの課題の一つに定期接種化の復活があげられます。
一度おたふくに罹ると有効な抗ウイルス薬はなく、水痘の様に患者と接触した場合に発症を抑える緊急ワクチン接種も有効ではありません。
となると未然に防ぐことが一番であることは自明であり、定期接種復活が望まれます。
また最近ワクチンン接種後の効果が薄れてきたことによる、二次性ワクチン不全(secondary vaccine failure)が問題になっています。このため二回接種法をとりいれている国も多く、定期接種復活とともに検討すべきことといえます。
今回はムンプスワクチン(おたふくワクチン)についてのお話しでした。