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2010年3月

3月 31 2010

高齢者の血糖管理は慎重にです

高齢の方の糖尿病の管理は慎重を要します。急いだ治療によって低血糖状態を呈すると、ときに取り返しのつかない事態を招くことがあります。
また、高齢者の方は低血糖を起こしても典型的な症状を呈しません。たとえば認知症のような症状になることもあります。
そのことで発見が遅れ重症になることがあるのです。

3月 30 2010

糖尿病と高齢者~若い方とは考え方が違います~

 高齢者の方の糖尿病は病態も治療法も若い方とは少し違います。きょうは高齢者の方の糖尿病についてのお話です。

○食後の血糖値に特徴があります
 高齢者の糖尿病の方は、食後の血糖値が高くなる傾向があります。これは若い方との違いで、軽症の方が多いというのも特徴です。よって、糖尿病そのものよりも付随する高血圧やコレステロー、メタボリックシンドロームの治療を優先させる必要があります。

○糖尿病のコントロールは?
 高齢者の方の場合、日本糖尿病学会のガイドラインでは“HbA1c7%以下”に治療の目標を立てよ、とうたっています。若い方の場合この数値が6.5%となっており、少し緩い基準になっております。

○食事は腹八分目が基本です
 食事療法については食品交換表などを使っていろいろとアドバイスをさせていただきます。これは若い方とあまり変わらないのですが、高齢の方で過食になる方はむしろ少ないので、“腹八分目で…”とお伝えすることが多いですね。

○運動療法は…散歩でしょうね
 高齢者の方にこそぜひとも運動をしていただきたいです。これは糖尿病の治療という範疇だけでなく、健康でイキキキと生活していただくためです。高齢者の方の問題点として“転倒”があります。多くは筋力が低下して起こるケースで、これを防ぐにも散歩という運動は適しています。なおゆっくり歩いたり、早く歩いたりを交互に行うといいという報告もあります。

○薬物治療は…?
 高齢者の方はHbA1cが7%空腹時血糖が140mg/dlを超えるくらいの方を薬物治療の対象にさせていただいております。
使う薬剤はグリニド系の速効型インスリン分泌抑制薬・αグルコシダーゼ阻害剤・インスリン抵抗性改善薬であるピグイアナイド・ピオグリタゾンなどを使うケースが多いです。それは高齢者では軽症例が多いためです。これらの薬を組み合わせてお出しすることが多いです。
逆に空腹時血糖が160mg/dlを超える場合はスルホニルウレア(SU)剤を使います。

3月 29 2010

蒲郡医師会学術講演会へ行ってきました

蒲郡医師会学術講演会へ行ってきましたl。

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第1席は「日常よく見る皮膚疾患」、第2席は「当院不定期通院患者の内服コンプライアンス」と題しての内容でした。

3月 29 2010

高齢者の方の特徴~糖代謝の低下が懸念されます~

糖尿病はこの国の懸案事項になって久しいですが、超高齢者社会おいてはさらなる問題点として君臨しそうです。
ヒトは年齢が高くなるほど機能が衰えます。糖の代謝も例外ではありません。高齢になるほど血糖値が高くなってきます。
しかし、本当の糖尿病ではないので治療を必要とはしていません。食生活の改善で十分に対応可能です。

3月 28 2010

お年寄りが脳血管障害にならないために…

今日はお年寄りが脳血管障害にならないためにどのようなことに気をつければよいかというお話です

○まずは血圧コントロール
 なんといっても血圧コントロールが大事です。そのためには家庭で血圧を測定していただき、自分の血圧がどの程度なのかということを知ることから始めてください。
具体的には朝起床時と就寝前の2回測定していただけると助かります。

○生活習慣病のコントロール
 高血圧以外の生活習慣病のコントロールも大事です。糖尿病・高脂血症などがそれにあたります。また、喫煙も良くありません。禁煙していただけるとたすかります。
なお禁煙は保険治療ができるようになりました。ご利用されるとよいかと思います。

○脱水に気をつけましょう…コップ1杯の水で助かります
 夏場の暑い時期に脱水状態になることで血液の量が減って、相対的に脳に行く血液の量も減り脳梗塞になるケースがあります。また血圧コントロール目的に利尿剤を飲まれている方は、やはり血液量が減りますので脳梗塞になりやすいといえます。
これらのケースでは朝起床後に1杯のお水を飲む習慣をつけていただくようにお勧めしております。ヒトは寝ているときにコップ1杯分の汗をかくといわれています。その分を補うのです。

以上のようなことを気をつけて、明るく楽しい人生を暮らしましょう

3月 27 2010

高齢者の脳血管障害

高齢化社会の到来により、日本人に脳血管障害の患者さまが増えてきました。長嶋茂雄終身名誉監督の例が印象的かと思います。
この脳血管障害ですが、近年高齢化社会ならではの特徴的なことが分かってきました。

○原因は2つです
 最近の脳血管障害の原因は心臓に原因がある心原性脳こうそくと、代謝に異常があるアテローム血栓性脳こうそくがそのほとんどです。

○心原性脳こうそくとは…?
 心臓の動きが不規則に不確実になる病気に“心房細動”というものがあります。心房細動がおこると心臓内での血液の流れがよどみ、塊ができてしまいます。これが脳に到達すると血管をふさいでしまうため、脳梗塞が起こってしまうのです。
長嶋監督がこの状態でした。

○心房細動の治療
 このような原因で脳梗塞を起こさないようにするためには、心房細動の治療が必要ということになってきます。
この場合ワーファリンというお薬を飲んでいただくことになります。これは終生飲み続けなければなりません。
○アテローム性脳こうそくとは…?
 もともと動脈硬化が進んで狭くなっている血管において、何らかの刺激で狭くなったところが破れて(破たんして)、そのあとから血小板がその部分を覆うことで、逆に血管をふさいでしまう為に血管の閉塞が起きます。

○アテローム性脳こうそくを予防するには…?
 まずは生活習慣を改善することから始めなくてはなりません。それによってアテロームを作らなくするばかりか、減少させることができます。また薬でコントロールすることも良いでしょう。

3月 27 2010

便秘はライフスタイルの改善で治すのが一番です

便秘でお困りの方は多いと思います。本日は便秘解消のライフスタイルについてです。

○規則正しい食生活が決め手です
 便秘を解消したい、しかし出来れば薬を使わず治したいという方は多いと思います。そのような方には“規則正しい食生活”をお勧めします。とくに朝食をゆっくり十分に摂ることが肝心です。なぜなら胃に食べ物が入ると胃―結腸反射という機能が働いて、大腸にたまった便を排泄しようとするはたらきが強まるからです。

正しい食生活で、嫌な便秘ともサヨナラですね。

3月 26 2010

便秘について

便秘は多くの人が悩まれているかと思います。病気とまではいかないものの、やっかいなものとして捉えられているのではないでしょうか?
今日はその便秘の種類とそれぞれの治療のお話です。

○健康な方の便秘には3つの分類があります
 特別に病気がない方であれば、便秘の原因は大きく分けて3つあります。弛緩性便秘・直腸性の便秘・痙攣性の便秘。
以下にそれぞれについてのお話を進めます。

○弛緩性便秘…太くて硬い便が出る場合です
 主にお年寄りややせ形の女性、下剤を多く服用されている方に多い便秘の原因です。太くてかたい便が出るケースです。大腸全体が緩んでしまい、便の通過が遅くなるために起こるのです。
このような場合、大腸刺激性の下剤を使用します。この薬は腸の動きをつかさどる神経に直接はたらき、腸の動きを活発化させ便の排出を良くする薬です。ただし習慣性があるため連用してしまい、結果的に薬の効果が減弱してしまう恐れがあります。

○直腸性の便秘…太く途切れがちの便がでる場合です
 便を我慢する方に多い便秘で、女性に多いと言っていいと思います。我慢を重ねて直腸からの便の存在を伝える情報が伝わりにくくなったために起こります。
このような場合は二酸化炭素を産生する坐薬が用いられます。

○痙攣性便秘…ころころとした便が出る場合です
 お腹の左側が痛くなり、その後コロコロとしたウサギの糞のような便が出る場合です。若い方に多くみられる便秘です。
このような場合は塩類下剤が良いと思われます。コロコロとした便を腸から水分を調達することによって軟らかくして出やすくするのです。

3月 25 2010

今日は最後に原因物質をどのように確定するか?というお話です

○原因物質は何か?
 アトピー性皮膚炎は原因となる物質が必ずあります。これを検索することが治療にとって重要になります。血液検査にて特定いたします。代表的なものにスギ・ヒノキ・ハウスダスト・犬・猫などがありますが、とても珍しいタイプのものもあり特定を困難にする場合があります。しかし、これらを除去しない限り治癒は望めませんので大切なことです。

アトピー性皮膚炎はかつては思春期には自然治癒する疾患ととらえられてきましたが、近年高齢化が明らかに進んでいます。しかも患者さまによって治療方針・期間がまちまちのため、いつまでどこまで治療するのか?そのエンドポイントが分かりづらくなっています。よって定期的な通院でしっかり主治医とコミュニケーションを取り、正しい知識を持って重症化・慢性化を防ぐことが大切です。

3月 24 2010

今日は皮膚の症状を抑えるのにはどうしたらよいかというお話です。

○皮膚症状を抑える
 皮膚症状に対してはステロド外用薬を用います。ステロド外用薬の使用に対して、以前マスコミより誤った見解が出され、現在でもその影響が見られます。しかし、このようなまやかしには決して騙されてはいけません。現在は厚生労働省科学研究斑「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」に沿った治療が一般的となっています。
ステロイド外用薬を使用する目的は、皮膚症状を抑えることで“かゆみ循環”を断ち切ることでもあります。
また、近年新しい薬としてプロトピック製剤が発売になりました。これはステロイドの副作用が起きやすい顔に用いることが多くあります。もちろん顔以外にも使用できます。
ほかにも免疫抑制剤やぜんそく治療の薬があります。免疫抑制薬は16歳以上の重症例に、喘息治療薬は成人の中等症に用いる薬です。

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