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6月 19th, 2011

6月 19 2011

感冒と抗菌薬~どんな時に飲むのでしょうか?~

 風邪をひいたら病院で薬をもらって…。だれしもが経験することかと思います。
では、病院でもある薬の中には何が入っているのでしょうか?抗菌薬(抗生物質)、咳止め、痰切り…いろいろ入っていると思いますが、今日はその中でも抗菌薬(抗生物質)のお話です。

○まずは用語説明
 最近、抗生物質のことを“抗菌薬”と呼ぶように変わりました。
これは、抗菌薬は細菌のみをやっつける薬であって、ウイルスを撃退する力はありません。しかし「抗生物質」というと何でも撃退するかのような誤解が生じる可能性があるからです。より現実に即した名前になったとみるべきでしょう。

○どんな時に飲むべきでしょうか?
 では抗菌薬はどんな時に飲むべきなのでしょうか?
日本呼吸器病学会の「呼吸器感染症に関するガイドライン、成人気道感染症の基本的な考え方」には出現する症状のなかでも“3日以上の発熱が持続する”“膿性の喀痰・鼻汁”“扁桃肥大”“扁桃腺に白苔を認める”等の条件を挙げています。また中耳炎や副鼻腔炎の合併が認められる場合や採血で白血球増多、CRP増多等の所見も条件とされています。
もうひとつは社会的な条件として合併症として呼吸器疾患があったり、そもそも高齢者で体力的な余力がなかったりする場合も、やはり条件として存在します。

○どうして飲むべき時とそうでない時があるのでしょうか?
 それは細菌が原因ではない場合があるからです。
通常風邪の場合ウイルスが原因である場合のほうが圧倒的に多いのです。この場合、ゆっくり体を休めて適宜咳止めや痰切りを使用したり、場合によっては解熱剤を使用するのです。抗菌薬は役に立たないので使いません。
逆に細菌、たとえばマイコプラズマ・クラミジア・肺炎球菌・インフルエンザ桿菌等の場合は抗菌薬の出番というわけです

風邪というとすぐに抗菌薬を使ってしまう風潮が日本から抜けきれません。不適正使用は耐性菌の出現や投与による肝機能障害など、さまざまな障害があります。一刻も早くそのような誤解が解けることを願っているのです。

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