2月
28
2011
近年、社員のうつ病の対応に苦慮されている会社が多いと聞きます。実際社員の最低1%はうつ病であるといわれ、産業医をされている精神科の先生方は2~3%位に感じておられるとも言われています。
今日はうつ病と会社の対応のお話です。
○旧来のうつ病と新型のうつ病…
最近はうつ病の様相が違ってきていると言われています。このような状況に精神科の先生方も対応に苦慮されていて、それがそのまま現場に影響を落としてしまっているようです。
具体的には新しいタイプのうつ病が出現し、精神科の先生もどうしたらいいかわからないといわれるのです。それはうつ病の症状を呈しているから休職させていたら、休業中に海外へ語学留学に行ったとか沖縄にダイビング旅行に行って満喫してきたというそうです。しかも休職中にほっておくと、どんどん会社との距離が離れていってしまうのだそうです。これでは復職の際に会社側も本人もいらぬエネルギーを使わなくてはならなくなるのは、想像に難くありません。それゆえに休職中の社員とは比較的密に連絡を取り合わなくてはなりません。これは旧来のうつ病とは正反対の対応です。
○復職プロセス
次に復職のプロセスのお話です
うつ病の場合多くは仕事を休んでメンタルクリニクに受診されるケースがほとんどです。それゆえ精神科の先生と職場の産業医の先生とで情報共有をし、復帰時期とその方法を探っていくことになります。精神科の先生からは主に病状について、産業医はそれをもとに時期と仕事内容を決めていくというものです。
○手始めに規則正しい生活です
復帰の仕方のうち、どの職場の度の社員にも共通するものがあります。それは復帰に際し、規則正しい生活を心がけるという所から始めるというものです。人はどうしても夜型生活になりがちです。これではそもそも職場復帰は難しいことは当然であり、治療にも影響があります。職場・主治医・産業医がそれぞれの形で社員にかかわり続け、社員は治療に専念する中で最低規則正しい生活だけは継続するという方法が一般的な方法です。
2月
23
2011
きょうは6~7カ月検診についてのお話です。このころはお座りが出来るころになるころです。
1.おすわりの検査
赤ちゃんがちゃんとお座りできるか確認する検査です。
この検査では赤ちゃんをお座りさせて、手を離しても自分でちゃんとおすわりできるかを調べます。
2.寝返りの検査
寝返りの検査では赤ちゃんを寝かせて、ちょっとでも体をねじろうとするか確認する検査です。体をしっかり回転させると合格ですが、ちょっとねじる動作があれば大丈夫だと医師が判断します。
3.ハンカチテスト
赤ちゃんの顔にハンカチをかぶせて、自分でそのハンカチを取ることができるかを確認します。
このハンカチテストは6ヶ月過ぎる頃から知能が発達してハンカチを取ることができます。
6~7カ月検診は公費による負担がないことがあります。各自治体に問い合わせて、確認をしてください。
2月
22
2011
今日は赤ちゃんの3カ月検診の内容についてのお話です。3カ月ころは赤ちゃんの首が座ってくるころです。
1.体重、身長、胸囲、頭囲
1ヶ月健診と同様、発育状態を見るために、基本的な身体検査を行います。
2.頭の形、大泉門
頭のてっぺん部分の大泉門のチェックでは、まだ完全に閉じていませんが、どのぐらい閉じているか確認します。
3.心臓、腹部、外性器
心臓の雑音、腹部のしこり、腫瘍、ヘルニア、陰のう水腫の有無などを調べます。
4.首すわり
ハイハイや寝返りなどをする上で、首すわりはとっても大事な役割を担います。
5.その他検査項目
目の状態、股関節脱臼の有無など
3カ月検診は公費による負担がないことがあります。各自治体に問い合わせて、確認をしてください。
2月
20
2011
今日は赤ちゃんの1カ月検診についてのお話です。生まれて間もないころの検診はどんな事をするのでしょうか?
1、体重・身長・頭囲・胸囲計測
****出生してからいったん生理的体重減少があるので、体重が増加し始めた退院時 から計算することが多いです。
1日あたり20~30グラム増えてれば大丈夫です。小さめに生まれた子も成長グラフと平行に大きくなってれば大丈夫です。
2、全身のチェック
****聴診器で心臓音・呼吸音・腸音確認
****触診(肝臓・脾臓の異常がないか・大泉門・外陰部・ヘルニアの有無の確認)
****臍の状態確認(じくじくしていた場合硝酸銀でかるく処置します)
****視診(黄疸・あざ・などの有無など全身)
****股関節脱臼の有無
****斜頸の有無
****引き起こし検査(手を持って起こすと顔を持ち上げるか)
****原始反射の確認
****追視するか・目やにがないか確認
****舌圧子で口の中の確認
1カ月検診は公費による負担がないことがあります。各自治体に問い合わせて、確認をしてください。
2月
19
2011
いまだにガンは不治の病です。国民の3人に一人がり患して、亡くなっていく…。古代ギリシャの時代からその存在は確認されているにもかかわらず、いまだに完全な治療がありません。
そんな中、近年中に新しいタイプの抗がん剤が登場します。
それは分子標的治療薬と呼ばれるもので、ガン細胞の表面のタンパクや細胞増殖に関係するタンパクや遺伝子を標的に効力を発揮するものです。
いままでの抗がん剤は細胞の毒で、ふりかけて殺すというものでした。よって良い細胞も殺してしまうため、吐き気や脱毛といった症状が出現したわけです。
今回の抗がん剤はそのような、一般的にイメージされているような副作用がありません。
しかし、副作用が全くなくなるわけではありません。
皮膚にニキビが出来たり、亀裂が入ったり乾燥したりします。また出血しやすくなり、それが脳出血や吐血といった症状を起こすとも言われております。
このように良い点悪い点を述べてきましたが、副作用はあるものの大変期待が持てる治療といえます。
既存の抗がん剤と組み合わせながら、ガンが治る病気になってほしいものです。
2月
18
2011
岩倉市医師会講演会「糖尿病と生活習慣」講師江南厚生病院内分泌・糖尿病内科部長 有吉陽先生
ひ出席してきました。
糖尿病の変わりゆく治療方法や生活習慣との関係について、たいへん内容の濃い講演会でした。
2月
17
2011
本日はサルコイドーシスという病気に関するお話です。
この病気は人口1万人にあたり7~9人いるといわれている大変に希な疾患です。患者さまの年齢はおもに20~50歳代の方が多く、女性の方が比較的多いとされています。
自覚症状はいくつかあり、その中でも特に重要なのが不整脈です。
これは直接死につながるものでしっかり診ていかなければならないこととされています。そして不整脈の程度によっては心臓ペースメーカーを入れていただくことになることもあります。
その他視力障害や咳・息切れといった呼吸器に関する症状、更には不明熱なども併発します。
しかし、これら症状がない場合が30%ほどあり、健康診断で異常が指摘されてよくよく検査をしてみたら…ということが殆どです。
また症状が出揃うということも少なく、胸部の不快感やめまいなどで心臓の異常が指摘されて、更に検査を進めていったらサルコイドーシスだったということもあります。
サルコイドーシスは厄介な病気です。稀であるがゆえになかなか診断が確定せず、不整脈や不明熱で体調が悪いまま長期間過ごすことになることがあります。
上記のような症状が長期に続く方は、一度高次医療機関に受診されるといいでしょうね。
2月
16
2011
不明熱という医学用語があります。これは原因がいまいちはっきりしない、原因が“不明”の熱ということす。熱と言いますと通常細菌やウイルスに感染することを思い出されるでしょう。しかしそのほかの原因として悪性腫瘍や膠原病があり、これに加えて本当に原因がわからないものも不明熱を起こします。
今日は不明熱のお話です。
○不明熱とは…?
不明熱とは38.3度以上の発熱が3週間以上継続する。1週間の入院による検査で診断が確定しないということが定義としてあります。患者さまやその家族にとっては、3週間も熱があってとても心配な状況だが一体どうなっているのか分からなくて心配でたまらない、という心境でしょう。
○家庭で熱が長く続くという状況ならば…
では不明熱の原因のうちどれが怪しいのか、ご自身である程度予測はできます。
だらだらと長く続き、しかも短期間でどんどん状況が悪化しないならば悪性腫瘍が考えられます。同じようにだらだらと続き、しかも身体の色々な場所が痛む場合は膠原病が考えられます。
反対に短期間に全身状態が悪くなる場合は何らかの菌やウイルスに感染しているとみていいでしょう。
熱がだらだらと続く場合はまずお近くの医療機関に相談していただき、そのうえで必要に応じて高次医療機関に紹介してもらって受診するのが良いでしょう。
2月
13
2011
子宮頚がんワクチンをご存知の方は多いと思います。最近日本でも接種可能になり、自治体から補助金が出るようになりました。今日はその子宮頚がんワクチンにまつわる話です。
○ヒトパピローマウイルス16型・18型が危険です
子宮頚がんは多くのガンの中でも原因がはっきりしている、数少ないガンです。それはヒトパピローマウイルス(HPV)16型・18型というウイルスが原因になります。
このウイルスは性交によって感染します。
○接種時期は10代前半が望ましいです
HPVは性交によって感染するので、性交を経験する前に接種してしまうのが望ましいと考えられています。よって10代前半が一番望ましく、各自治体もその年代に補助金を出しているところが多いようです。
ちなみに海外でも、10代前半に公費による完全補助で接種している国が殆どです。
○20代以降も接種対象です
では、20代以降の方はどうしたらいいでしょうか?
答えは“接種してください”となります。その際は子宮がん検診をしてということになり、そうなればそれなりに予防効果を期待できるからです。
○しっかり接種しましょう
このHPVというウイルスは、わりと自然界に多く存在しているそうです。しかも性交というごく一般的な人間の営みの中で感染するので、しっかり感染予防をした方が賢明といえます。
このワクチンは大変に効果があるものです。しっかり予防をして、明るい人生を送りたいものですね。
2月
08
2011
中高年のかたを中心として、意に反して身体の一部が震えてしまうことはありませんか?静止しているときや反対に何か動作をしているとき、あるいはある姿勢を保持した時などに震えることはありませんか?
こんな時は早く医療機関にかからなくてはなりません。
○どんな時に震えるのか、がポイントです
適切な治療をするには適切な診断が欠かせません。それにはまず、どんな時に震えるか?がポイントとなってきます。先ほども記載しましたが、静止時・動作時・姿勢保持時です。
○動作時・姿勢保持時の原因は…?
動作時の振戦の原因として小脳疾患があります。言語障害や歩行困難が伴うことがあり、一見して脳の疾患であることがわかります。
また原因がはっきりしている場合もあります。気管支喘息の際に用いられるβ遮刺激剤というカテゴリーのお薬を飲まれている方、甲状腺機能亢進症を発症されている方等がいらっしゃいます。
また、アルコール中毒や末梢神経障害がある方にも振戦が見られることがあります。
○静止時の原因は…?
この場合はいろいろな原因がありますが、その中でも代表的なものはパーキンソン病です。緩慢な動きや丸薬を丸めるような動作(pill-rolling)、うなずくような動作(うなずき振戦)小刻み歩行など独特な症状が多彩にみられます。
以上のような原因があり、このような症状が見られた場合は医療機関に受診する必要があるようです。