9月 16 2010
慢性閉そく性肺疾患とは…最近息切れがしませんか?
慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)という病名をご存じでしょうか?以前に肺気腫とか慢性気管支炎とよばれていたものを最近ではこのように呼ぶようになったのです。
今日は慢性閉塞性肺疾患のお話です。
○タバコが原因です
この疾患の患者さんの95パーセントがタバコを吸っている方です。ニコチンやタールが気管支を痛めつけます。すると人間は治ろうとする機能があるので、気管支の修復に取り掛かります。しかし、また喫煙すると気管支を壊して…この繰り返しによって慢性閉塞性肺疾患は形作られてしまうのです。
○階段で息切れをしませんか?
典型的な症状は『坂道や階段で息切れを感じる』『風邪でもないのに咳や痰が続く』といったものです。“歳をとったから…”と歳のせいにするのではなく、とくにタバコを吸われる方はうたがってみる必要があると思います。
○ほかに症状は…?
息切れや咳以外にはどんな症状があるのでしょうか?
気管支が壊れてくると、気管支表面にある線毛という細かい毛の働きが悪くなります。この毛は小さなほこりや細菌が侵入してきたとき、これ以上奥には入れないように吐き出す働きをします。よって、気管支が壊れると細菌感染をおこしやすくなるのです。
○とにかく、禁煙です
では、どうしたらいのでしょうか?
まず現在タバコを吸っている方はすぐにでも止めていただくのがいいでしょう。習慣的に吸っている方は20年ぐらい後に症状が出てきます。そうなる前に止めるのが最善です。
また既に症状が出てしまわれている方も、やはり禁煙がいいと思われます。
慢性閉塞性肺疾患は肺がんとの関係が指摘されています。最悪の事態になる前に、手を打つべきでしょう。
このように慢性閉塞性肺疾患はとても厄介な病気です。とくにタバコを吸われている方は気をつけていただきたいものです。