6月 27 2010
あたらしいウイルス~ヒトメタニューモウイルスについて~
最近新しいウイルスが発見されました。ヒトメタニューモウイルスと言います。今日はそのヒトメタニューモウイルスについてのお話です。
○通常のカゼ症状を呈します
新しいウイルスだからといって何も構える必要はありません。流行は春~夏が多く、発熱・鼻汁・咳といったごくごく一般的な症状がみられます。ただしやや高熱で有熱期間長いとも言われています。しかし、ほんのわずかな違いのため、他のカゼウイルスとの区別がつきにくいのです。
そこが問題となることがあります。
○重症化やすい人は…?
しかしカゼと変わらない、何でもないウイルスといったらそうではありません。子どもさんや高齢者のかた、移植手術を受けられた方などの『ハイリスク感受性者』と言われる方は悪化して肺炎になってしまうケースがあります。
また、他のウイルスと重感染する場合もあり、ますます油断ができないということになります。
○集団感染を起こしてきます
そしてさらに厄介な点もあるので見逃せません。集団感染があるのです。
2006年に福岡の高齢者施設で集団感染を確認したのです。今後子どもや高齢者の集団感染が心配されます。
以上のように見てくると『子どもさんやご高齢の方が、通常のカゼだと思っていたらなんだか熱が高く、肺炎を起こしてしまった』という状況が見て取れると思います。
○治療法は…?
さてそこで治療法となりますが、特効薬のようなものはありませんので、解熱剤や点滴・鎮咳剤などで“対症療法”を行っていくしかありません。
現状は有効な手段がないので、予防に努めるしかないのです。
○予防法は…?
やはり手洗い・うがいが良いと思われます。飛沫感染や接触感染によることが多いので、この手段が有効です。
ヒト・メタニューモいウルスについての検証は今後どんどん進むことを期待したいです。
