9月 16 2009
痛みは我慢すべきでしょうか?
ときどき患者様からそのように聞かれることがあります。子供のころ“男の子なんだから我慢しなさい!”なんて言われたことがあるので、なんとなくそう思っておられるのかもしれません。
本当に痛みは我慢すべきものなのでしょうか。
その答えを解きほぐしていくために、まずはどうして人間には痛みという感覚があるのかを知る必要があります。
○痛みは警報
痛みは身体に迫ってくる障害をいち早く察知して、警告をする重要な役割をしています。しかし警告が終われば痛みは必要のないものであり、単に苦しい嫌なものでしかなくなるのです。
○無駄な痛み
では、痛みが持続する場合はどうなるのでしょうか?
警告が終わった後の痛みは“痛み”という情報が様々なところに伝わり、結果的に内分泌機能・循環機能・呼吸機能のバランスを壊したり、食欲や睡眠をさまたげたり精神的に憂鬱な気分にさせたり活動性を低下させたりします。
警告以外の痛みは無駄な痛みといえるでしょう。
○痛みが“いたみ”を呼んでくる
痛みが持続するともう一つの問題点があります。それは痛みがあることでさらに新しい痛みの原因を作りだしたり、痛みを構築する機構が呼び起こされたりすることです。このことで“痛みの病気”という新たな病気になってしまうことが問題なのです。そしてこの痛みの病気がさらに痛みを呼んできてしまい、はては痛みの悪循環を作り上げてしまうことすらあるのです。
このようなことから、痛みは我慢せず積極的に治療すべきなのです
