7月 12 2011
心不全の症状2
今日は前回に引き続き、心不全の症状についてのお話です。前回は心不全の症状の内基本的なものをお話ししました。今日は更に詳しく見ていきます。
○起坐呼吸
心臓が弱ってくると帰ってきた血液を送り出すことがしにくくなります。そのため患者さんは寝ているよりも座っていることを好むようになります。つまり心臓が高い位置にあることで血液を送り出すための負担を減らすのです。また同時に血液が返ってきにくくなります。そのことで心臓の負担が減るのです。
○夜咳をするようになります
ただし就寝後に咳を起こすのが心不全に該当します。それは横になることで血流に変化が起きて、肺に血液がたまって心臓に帰りにくくなるからです。そしてその状況が咳という症状を起こすのです。
なお、風呂上がりなどに起こすのは気管支ぜんそくの場合が多いです。
○食欲不振
一見胃腸は関係なさそうに見えますが、そんな事はありません。前回心不全の症状で“むくみ”が出ることをお話しましたが、むくみが進むと胃腸もむくんできます。そうなると胃腸の機能が弱って食欲不振になります。
○頚静脈が目立ってきます
これは心臓に血液が帰りにくくなるため、血液がいわば“渋滞”したために起こるのです。とくに座った状態で内頚静脈が見えるかどうかが簡単に見分ける方法であるといわれています。
前回よりさらに詳しく見てきましたが、いかがでしたか?
さらにいえば今回の症状・所見がある場合は、心不全でもかなり症状が活発な状況にあるといえます。
これらが見えた場合、速やかに医療機関に受診していただきたく思います。