7月 07 2011
認知症の種類…
今日は前回に続き、認知症の種類についてのお話しです。
認知症を呈する疾患にはどんなものがあり、どんな症状を呈するのでしょうか?
○アルツハイマー型認知症
“もの忘れ”をご家族が心配して来院されることが多いのがアルツハイマーです。
晩御飯を食べたことさえ忘れてしまうとか、同窓会で同級生に指摘されたといったことをエピソードとして持っておられることを多く経験します。そしてご本人がそれ自体を認めないという特徴もあります。
○脳血管性痴呆
主に脳梗塞を起こした後に起こってくる認知症です。特徴としてさほどでもないことで感激して涙を流すといった、いわゆる“感情失禁”という症状が特徴的です。
脳梗塞などはっきりした原因がわかっているだけに、ご家族を混乱させるようなことはありません。
○レビー小体病
パーキンソン病を合併していることが多い認知症です。それとともに具体性のある幻視を訴える方が多いのも特徴です。そして症状に変動があり、向精神薬を使用することでかえって悪化することもある、そんな病気です。
○前頭側頭葉型認知症
この認知症は比較的若い方に多いのが特徴です。症状としては人としての“歯止め”が効かなくなって万引きや暴力をふるうなどの行為に及んだり、言葉が不自由になって会話が減ったりといった症状です。また終始ぼんやりとしていて話題に興味があるかどうかがはっきりとしてしまう状況が見て取れます。
○うつ病
うつ病の場合は一日の内で症状が変動し、何よりご本人が「忘れる、忘れる」といって落ち込んでおられることが多いのが特徴です。
このように、認知症を呈する病気は多くあります。病気に合わせて治療法が変わってきますので、しっかり見極める必要があります。