5月 09 2011
結核の検査精度が上がります
近年、高齢化社会になってきて懸念されていることのひとつが、結核患者さんが増えつつあるという点です。かつて結核菌が体内に入り(結核を発症しているかどうかは別)そのまま保菌していて、年齢とともに抵抗力が下がってきたことにより菌の勢いが勝ってしまったことによります。
○新しい検査方法で確実に検出します
結核の検査はかつてツベルクリン検査が主体でした。しかし、この検査に用いる薬品自体に結核菌以外の菌が混ざっており、確実な検査ではありませんでした。
そして最近新たな、しかも大変優秀な検査方法が開発され実用化されました。
○クォンティフェロンという検査が実用化されています
最近クォンティフェロンという検査が実用化されました。これは患者さまから血液を採らせていただき、検査センターに提出します。従来のツベルクリンと違って、何度も医療機関に来ていただく必要がありません。
○感度特異度ともに優れた検査法です
この検査は感度が高く(ある検査について「陽性と判定されるべきものを正しく陽性と判定する確率が高いという意味)、特異度も高く(「陰性のものを正しく陰性と判定する可能性が高い」、あるいは「陰性のものを間違って陽性と判定する可能性が低い」という意味)なっています。ただしこれは結核が強く疑われる場合であり、感染の可能性が低い方には威力を破棄しません。
○その他の弱点
さらには過去の結核菌感染を拾ってしまう場合が多いので、高齢者の方にはさらなる他の検査が必要になってきます。また5歳以下の方の感度が悪いので、勧められません。
最近は結核を取り巻く環境も変わってきました。入院期間も少なくなり、かつてのような長期間の入院も必要なくなっているのです。
しかし、無くなったわけではない、いまだ人類の脅威となっている疾患です。