5月 02 2011
最近広がりをみせている結核の話題
近年結核が広がりつつあるのをご存知でしょうか?97年から2年続けて患者数が増えて、厚生労働省は『結核非常事態宣言』を出しました。
きょうはその結核の話題についてです。
○強力な菌に変貌しています
近年我が国で流行っている結核菌は“北京株”というタイプのもので、感染力が強く耐性化しやすいという特徴を持っています。しかも若者に感染しやすく、若者は行動力があるために蔓延する恐れがあり、やっかいです。
○2週間以上の咳は…
では、どんな時結核を疑うのでしょうか?
現在の国際基準では2週間異常続く咳は疑うとされています。2週間以上続く咳は喀痰の塗抹検査をして、陽性であれば結核かその仲間(非結核性抗酸菌)であることがわかります。
さらには喀痰の遺伝子検査で結核かその仲間なのかを確定していきます。
○最近の感染に対しては…
近年新しい検査法が登場してきました。血液検査で行う方法でクオンティフェロンといいます。この検査は“最近の感染”をしたかどうかを知る上で有用で、93%とかなり精度の高い検査です。
ツベルクリン反応はこの検査より精度が劣るということが分かってきましたので、その使命を終えたのかもしれません。
○治療期間は…?
治療期間は国際的な基準で6~9ヶ月となっています。
しかし、本当に治ったのか?菌をばらまいていないかを知るには喀痰をその都度調べて、検出されなくなったら治療終了というわけです。
結核といえば大変怖い病気です。現在は有効な治療法も確立しているのでしっかり治したいものですね。