10月 10 2010
高齢者のドライマウスについて
最近高齢者の方から“不自然に口が渇く”という訴えを聞くことがあります。口腔乾燥症、ドライマウスという名前で呼ばれている疾患です。
今日はドライマウスのお話です。
○原因は身近な疾患原因のことがあるようです
最近の高齢者の方のこのような訴えについては、原因が糖尿病・腎臓疾患・貧血といった病気から、自己免疫疾患といってリュウマチの仲間に入る病気であったりします。
また、最近老人性うつ病がクローズアップされてきていますが、うつ病薬もドライマウスに一役買ってしまうようです。
もうひとつは夜、口を開けて寝ていないか?ということです。どうやら70~80歳の方に口を開けて寝る方が多いようです。これも原因であるとされています。意外なところにも原因があるのですね。
○いろいろなお聞きすることがあるようです
では診察をどのようにもっていくか、というお話です。
まずはお口の中を見せていただきます。お口の中が赤かったり光沢があったり、またカビが生えて白っぽくなったりしている場合があります。
次にどんな病気をすでに患っておられるか、お聞きします。それに伴って高齢のかたは色々とお薬を飲んでおられることが多いので、それも教えていただきます。
○原因が特定されにくい場合もあります
次に検査をさせていただきます。
唾液の分泌量を測らせていただきます。また糖尿病などの病気をお持ちの方は、しっかりコントロールできているか、いま一度検査をさせていただきます。
しかし、これでも原因が分かりにくい場合があります。歳をとってくると誰しも唾液の量は減ってくるものです。またストレスも唾液分泌を減らすといわれ、このような場合検査をさせていただいてもなかなか原因から診断がつきにくくなるようです。
○典型的な症状は・・?
ここで典型的な症状について、再度まとめてみましょう
先ほどのお話いがいにもビスケットが食べにくいとか、そもそも味が変わってしまったということをおっしゃる方がみえます。
しかし最も多いのは“口の中の痛み”です。
今日は高齢者のドライマウスの症状・診断についてのお話でした。次回は治療法を中心にお話しします。