10月 06 2010
ワクチン後進国日本の現状…
時々『仕事の都合で海外に赴任することになりました。子どものワクチンをどうしたらいいでしょうか?』という相談を聞きます。
きょうは海外と比較した、日本のワクチン事情についてのお話です。
○まだまだ…ですね。
日本はワクチン後進国だと言われています。それは他国では政府の補助のもと全額国の負担で接種してもらえるワクチンが、全額自己負担で接種せねばならないという現実がまだまだあるからです。海外で有効性が確立しているのに、なかなか国の負担で接種できない。どうしてだろうと残念な気持ちにさせられます。
○これでもちょっとは、良くなってきた方です
そうはいっても最近話題のHibワクチンや肺炎球菌ワクチン、子宮頚がんワクチンなど、自費とは言え接種できるようになってきました。以前は薬品としての承認すらされていないというありさまで、少しは改善されてきているのです。
○同時接種という方法
諸外国では数種類のワクチンを同時に接種するということが当たり前のように行われています。一度の接種で5~6種類の免疫が獲得できるというのは、とても効率的で共働きが当たり前のこの世の中において効果的かと思います。しかし、厚生労働省は同時接種は医師の判断において…と及び腰です。そのため同時接種はあまり行われていないのが実態のようです。
○今後の流れ…
今後日本ではロタウイルスのワクチンが発売されることが決まっています。また三種混合ワクチン(DPT)と不活化ポリオワクチンとの四種混合ワクチンが開発段階にあり、いずれ市場に出てくる予定です。
あるいは昨年のインフルエンザパンデミック以降、厚生科学審議会の感染症分科会に『予防接種部会』と言うものが立ち上がりました。ここで予防接種後進国の汚名を返上するべく話し合いがもたれると聞いております。
一刻も早く世界の当たり前が日本の当たり前になるよう、改革をしてほしいですね。