10月 04 2010
脱腸…鼡径ヘルニアについて
脱腸という病気をご存知の方も多いと思います。ただしくは鼡径ヘルニアといいますが、きょうはその鼡径ヘルニアのお話です。
○脱腸で一番怖いのは…
脱腸で一番怖いのは飛び出してきた腸が周囲の組織に押されてしまい、いわば首を絞めたように締め付けられて、腸が腐ってしまうことです。これを嵌頓(かんとん)といいます。しかし大半はそのような状態になっても医師がぐっと押しこめば元に戻ります。
○緊急手術を要することもあります
脱腸はありふれた病気ですが、時に緊急手術を要する場合があります。
それは嵌頓が容易に戻らない場合です。腸が腐ってしまい、それが元で生命の危険が出てくるのです。
○嵌頓が治った後の対応は…?
では、嵌頓が手で押して直せた場合はその後どのように対応するといいのでしょうか?
嵌頓が治った場合でもやはり1週間以内に手術をすることが求められます。
○あわてる必要のない場合はどんな時でしょうか?
鼡径ヘルニアの手術を、夏休みにあわせて手術を受けたという方も見えるかと思います。
それは生命の危険もなければ、日常生活に支障もなかったからということになります。
ではそれはどんな時になるのでしょうか?
腸が脱出していても嵌頓まではなっていない状態です。しかも食欲が変わりなく良く食べていれば、いわば出べそと同じで無害なのです。
鼡径ヘルニアは怖くない病気ですが、時として緊急対応が必要とされます。そういう意味ではしっかりとした見極めが大事になる病気といえそうですね。