11月 16 2010
アルコール依存症の診断から治療へ
前回に引き続きアルコール依存症のお話です。今日は診断から治療を中心にお話をしていきます。
○ご家族の協力が欠かせません
アルコール依存症は周囲の方が気付かないと、どんどん進行していきます。ご家族の協力なくしては発見・治療には至りません。
そのため怪しいな?と感じたら、積極的に疑ってかからないといけないのです。定期的に病院に通う方であれば血液検査の結果でアルコールにまつわるデーターが悪くなっていないか、あるいは飲酒による外傷がないかを観察する必要があります。
○御家族でも簡単に診断できます
家族の誰かにアルコール依存症を疑う場合、簡単に診断の助けになるものがあります。それはCAGE(ケイジ)と呼ばれるスクリーニングテストです。
これは医師が診断するうえで使う便利なサポートツールですが、医療関係者以外の方でも十分参考になると思われるのでお使いになられることをお勧めいたします。
○CAGEを使って簡易診断
CAGEは4つの項目からなる質問票になっていて、その内容は…
C(Cut down)…飲酒を減らさないと感じたことがある?
A(Annoyed by criticism)…他人があなたの飲酒を非難するので、気に障ったことがある
G (Guilty feeling)…自分の飲酒について、悪いとか申しわけないと感じたことがある
E (Eye-opener)…神経を落ち着かせたり、二日酔いを覚ますために『迎え酒』をしたこと
がある
このうち2項目以上該当すれば、アルコール依存症を強くいたがいます。
○アルコール依存症が強く疑われるとき…
では強く疑われる場合どうしたらいいのでしょうか?
この場合は精神科の医師の診察を受けるべきであると思います。アルコール依存症は適切な治療を必要とする“病気”です。
また、精神科の診察を受けさせることに抵抗がある場合、精神保健福祉センターに相談するのも良いでしょう。
次回は治療について更にお話しを進めます