5月
18
2010
変形性膝関節症は中高年の特に女性に多い疾患で、700~1000万人の患者さまがいらっしゃると言われています。
今日はその“変形性膝関節症”についてのお話です
○症状の特徴
変形性膝関節症の原因ははっきりしていませんが、O脚の方に多いとされています。O脚は日本人に多いとされ、結果的に日本人に変形性膝関節症が多くなってしまうということになります。
痛みの特徴は動かし始めの痛み、たとえば座っていて立ち上がろうとした時に起こる痛みが特徴的です。
○治療の基本は…大腿四頭筋です
治療の基本は大腿前面にある大腿四頭筋を鍛えることです。膝にかかっていた負担を脚に譲るのが目的です。プールでの水中歩行が適していると言われています。
しかし、筋力アップは一朝一夕にはできるものではありません。だいたい3~6カ月くらいはかかります。
そこで薬による対応を余儀なくされるわけです。
内服薬であったり、ブロック注射にて痛みに対する対応をするのが良いでしょう。
またヒアルロン酸を関節内に注射することもおすすめです。これは関節の動きを滑らかにする作用があり、これだけでも痛みがなくなる方がみえます。
○手術を受けることになる方も見えます
内服薬やブロック治療、あるいは筋力を鍛えるトレーニングをしても効果があまりなく、生活に支障が出ている方には手術治療が勧められます。
手術は人口の関節を埋めることで“人工膝関節置換術”といわれています。しかしこの人工関節は正座ができなくなるという欠点があり、また人工物といえど寿命があります。よって60代以降の方に勧めるケースが多くなります。
手術後は入院してのリハビリが3週間程度で、その後は自宅に帰っていただいて通院によるリハビリ治療に切り替えていただきます。
このように変形性膝関節症は進行すると手術が必要になってきます。なんとかそのようなことにならないようにしたいですね
5月
14
2010
腰痛はたくさんの人が悩まされていて、国民にとって大変おおきな問題です。
腰痛にはほとんどが自然治癒する“ギックリ腰”から命の危険がある脊髄腫瘍、あるいは内臓疾患まで様々な疾患の可能性があります。
そのなかでも今日は見逃すわけにはいかない、一刻も早く正しい治療に移らねばならない腰痛についてのお話です。
○夜は寝られますか…?がポイントです
見逃すわけにはいかない腰痛を見分けるポイントとして『横になったり、安静にしているときに痛みがあるかどうか?』というものがあります。いわゆる一般的な腰痛を呈する疾患は静かにしていれば痛みはあまり感じないことがほとんどです。
反対に見過ごせない腰痛は『寝ていても痛い・横になって眠れない・発熱がある・冷や汗をかく・異常姿勢・神経マヒがある』といった症状を呈します。
しかも、このような疾患の場合初期にはレントゲンなどで異常が見られない場合もあるので、より慎重な診断が必要です。
腰痛の患者さまで上記のような症状を呈したりして「いくらなんでも普通の腰痛ではないなと感じておられたら、総合病院に受診されることをお勧めします。
5月
13
2010
腰痛を訴える患者さまが整形外科などにかかっても、治療が難渋したり長引いたりした場合、医師より「精神的なものが関与している」と言われることがあります。いわゆる“心因性腰痛”といわれるものです。
きょうは、その“心因性腰痛”についてのお話です。
○腰痛だからといって…
腰痛というとやはり整形外科にて対応してもらおうというのが、一般的な判断になってくると思います。しかし、腰痛で整形外科に受診される方のうち、整形外科が担当する疾患である可能性は思いのほか低く、他に原因があることが多いとされています。
また慢性腰痛でリハビリ治療に取り組んでおられるかたの98%にうつ病があると言われています。このデーターは腰痛の背景にうつ病があるということばかりでなく、うつ病のひとつの症状としての腰痛があることも予想できるということです。
精神的な疾患に付随して起こってくる腰痛を“心因性腰痛”と呼びます。
○では、心のどこに…?
心因性といっても、では心のどこに原因があるのでしょうか?
それはうつ病などの精神疾患にともなって起こってくることで、原因を特定することは困難です。それゆえどのような精神疾患をわずらっていらっしゃるか、をまずは確認することが大切になってきます。
なかなか医師に打ち明けにくい面があろうかと思いますが、的確な診断のためには大切なことなのです。
5月
12
2010
今日は腰痛として痛みを感じる消化器疾患のお話です。
ある調査によると、整形外科の領域の疾患ではないと診断された腰痛の80%が、内臓疾患であるそうです。
このため「腰痛があるから整形外科に行こう」と思いこまないほうが良いといえましょう。
では具体的に腰痛を呈する内臓疾患はどんなものがあるでしょうか?
腰痛を呈しやすい消化器疾患は主に十二指腸・大腸・胆嚢・膵臓・肝臓の疾患です。これら臓器では十二指腸潰瘍、大腸憩室、胆石症、膵炎、肝膿瘍等の疾患が発生した時に腰痛を発生します。
また、消化器のガンを患った場合、持続的な腰痛を呈しますので、特に注意が必要ということになってきます。
当然ペインクリニックでは整形外科的な腰痛の痛みをとることが目的となりますが、このような疾患が隠れているといけないので、積極的に血液検査などをさせていただきます。
このような場合当然患者さまにはお話をさせていただいてから行わさせていただきますが、患者さまにもどうかご理解いただき、ご協力していただきたいと考えています。
5月
11
2010
今日は骨粗鬆症に伴い起こる疾患のうち、腰椎圧迫骨折の急性期の治療のお話です。
○急性期は痛みをとることが先決です
発症して間もないころは痛みのために動きがとりづらいことがあります。しかし、高齢者は1日の臥床で筋力が3%低下すると言われています。となると、痛いからといって、おちおち寝ていられません。それゆえに急性期では痛みの治療が重要になってきます。カルシトニン製剤の注射と痛み止めのブロック療法、そして内服の痛み止めが効果的とされています。また、コルセットを腰に巻くことも、寝たきり防止のためには大切と言われています。
○運動強度の増大は大胆に行います
痛みを抑えたのなら、少しずつ運動強度を上げていかなければ、動けなくなってしまします。
では、どのようにしたらよいのでしょうか?
発症して1週間までは寝ていていただいた方が良いでしょう。しかし、2週間目からは寝たり座ったりということをしていただきます。そして3週間目に入ったら歩行をしていただくと良いと思われます。その際杖などの補助具を使ってもかまいません。
このように、かなり大胆に運動強度をあげていただくことになります。大丈夫だろうかという感じを持たれる方も見えると思いますが、これは寝たきり防止のためであり、それゆえ痛みの治療が大切であるということの証拠にもなると思われます。
5月
07
2010
腰痛は日本人のなかでも患っていらっしゃる方の多い疾患です。そのなかでも近年脊柱管狭窄症の占める割合が多くなってきています。
今日はその脊柱管狭窄症の対処法についてのお話です
○まずは日常生活の対処法です
背中の方へ反り返ることで症状が増悪することはすでにお話しましたが、反り返り防止のコルセットをはめていただくことが良いと思われます。また自然に前かがみになるように自転車・杖・手押し車の利用をお勧めすることもあります。
○内服治療
やはり薬は飲んでいただくことになると思います。血行改善薬・ビタミン剤・痛みどめなどいろいろ症状に合わせて組み合わせる必要があります。
○神経ブロック療法
硬膜外ブロックという方法を行うことが一般的です。これは痛みの原因となている場所の知覚の神経に局所麻酔薬を注射することで痛みを感じにくくする方法です。
○手術療法
日常生活に多大なる犠牲を強いてしまうような耐えがたい痛みや、下肢の筋力低下・失禁などが見られた場合、手術をすることになります。このような症状が出た場合は手術の絶対的適応とされ、急ぐ必要があります。
逆にいえば、そこまでの症状が出ない限り手術の必要がないといえます。
5月
05
2010
近年、高齢化社会が本格化して疾患様式もかなり様変わりしてきました。腰痛の原因疾患もそのひとつで、かつての主役であった椎間板ヘルニアにかわって脊柱管狭窄症のほうが多くなってきました。
きょうはその腰部脊柱管狭窄症のお話です
○神経が三方攻めをされます
脊柱管狭窄症とは脊髄をとおるトンネル(脊柱管)が変形してしまった状態のことで、原因は様々です。変形は主に前方・後方・側方の三方からで、複数から攻められると文字通り“三方攻め”となるわけです。
○三方攻めの原因
ではどんな原因で攻められるのでしょうか?攻めてくる方向別にみていきましょう
前方からは椎間板が膨隆してきたり椎体に骨のとげができてきたりします。後方からは黄色靭帯や椎間関節の肥大によって攻められます。側方からは背骨そのものの不安定性で骨が神経に触ることで攻められるのです。
○症状の特徴
症状には特徴があります。それは背中の方のそった姿勢をとると痛みが強くなり、反対に前かがみになると楽になることです。それゆえに患者さまは自転車を好んで乗られるケースが多くあります。
また一定の距離を歩くと痛みがどんどん増していき、前かがみのポーズをとることで症状が軽減することがあります。これを患者さまは日々繰り返しているのです。
以上のように脊柱管狭窄症について見てきましたが、次回は治療法と日常生活のちょっとした注意点についてお話しします。
5月
04
2010
腰痛は大変に頻度の多い疾患で、傷病で通院している患者さん1000人あたり男性で36.8人女性で51人に上るといわれています。
今日はその腰痛について、医師が診断するうえでどのようにあたりをつけるか、紹介しましょう。
これを知ればある程度、通院前に原因が分かるかもしれません。
○下肢痛の有無
下肢痛があるということは“腰痛の原因が神経に関与した腰痛である”ということです。これはこの先マヒがおこって、脚が動かなくなる可能性を考えなくてはならないサインです。その反対に、内臓がかかわった疾患であることが否定できるともいえます。
○安静時痛の有無
安静時にも痛みがあるということは、まず内臓疾患の可能性をまず考えねばなりません。脊椎・脊髄といった運動器の疾患で安静時痛がある場合は脊椎・脊髄腫瘍や感染性脊椎炎など早期に手を打たねばならない重篤な疾患が考えられます。
○間欠性跛行の有無
間欠性跛行とは“歩行前には症状はないかあっても軽度なものの、歩き始めると徐々に腰痛や下肢の症状が強くなって歩けなくなり、休息すれば再度歩行できる状態”のことです。この症状を呈するのは腰部脊柱管狭窄症と慢性閉塞性動脈硬化症で、前者の場合前かがみになると腰痛や下肢の症状が軽くなるという特徴を示します。
○心因性の腰痛の可能性
日常生活や仕事でつらい気持ちを引きずっていないか、お聞きする必要があります。
患者さまには出来るだけありのままをお答えいただきたいものです。
以上、簡単に述べるとこのようになります。何かお心当たりのことはありますか?
5月
02
2010
日本には現在700万人超の方が糖尿病であると言われています。この度本邦ではまったく新しい糖尿病治療薬が発売されることになりました。
○重篤な副作用のない薬です
この新しい薬はインクレチン関連薬(GLP-1受容体作動薬)といい、食べ物が胃腸に入ってくるとそれをキャッチして、膵臓に働きかけて糖分を抑えるインスリンを分泌するよう合図を送ります。当然食べ物が入ってこない限り合図は送らないため、投与は食事と関係なくできます。ということは、投与時の血糖の過剰低下という重大な副作用が見られないということです
○もうひとつ、うれしい副作用が…
この薬を投与されると体重が減少するというデーターがあります。メタボリックな方に糖尿病が多いのは確かなため、うれしい副作用といえるのではないでしょうか?