5月 11 2010
腰椎圧迫骨折に伴う腰痛の治療のスタンダード~発症初期には痛みの治療が大切です~
今日は骨粗鬆症に伴い起こる疾患のうち、腰椎圧迫骨折の急性期の治療のお話です。
○急性期は痛みをとることが先決です
発症して間もないころは痛みのために動きがとりづらいことがあります。しかし、高齢者は1日の臥床で筋力が3%低下すると言われています。となると、痛いからといって、おちおち寝ていられません。それゆえに急性期では痛みの治療が重要になってきます。カルシトニン製剤の注射と痛み止めのブロック療法、そして内服の痛み止めが効果的とされています。また、コルセットを腰に巻くことも、寝たきり防止のためには大切と言われています。
○運動強度の増大は大胆に行います
痛みを抑えたのなら、少しずつ運動強度を上げていかなければ、動けなくなってしまします。
では、どのようにしたらよいのでしょうか?
発症して1週間までは寝ていていただいた方が良いでしょう。しかし、2週間目からは寝たり座ったりということをしていただきます。そして3週間目に入ったら歩行をしていただくと良いと思われます。その際杖などの補助具を使ってもかまいません。
このように、かなり大胆に運動強度をあげていただくことになります。大丈夫だろうかという感じを持たれる方も見えると思いますが、これは寝たきり防止のためであり、それゆえ痛みの治療が大切であるということの証拠にもなると思われます。