9月
24
2009
当院では手術をしない治療法である腰部硬膜外ブロックで椎間板ヘルニアの治療をさせていただいています。
今日は手術をしなくてはいけない、いわば当院では手に負えなくて整形外科の先生にお願いしなくてはいけない方がどんな方なのか、というお話です。
椎間板ヘルニアの手術の基準として最も大切なことが馬尾症状(ばびしょうじょう)がでてきているかということです。これは排尿・排便がうまくいかなくなることをいいます。この状態になったらすぐに手術に向かわなければなりません。
もう一つが足のマヒ症状が出てきているということです。ほおっておくと歩けなくなるので、手術を検討しなくてはなりません。
おおざっぱにいえばこの二つになります。もし現在このような症状でお困りの方が見えましたら、手術をしていただける病院に急ぎましょう。
9月
23
2009
痛みの患者様がペインクリニックに期待されることは“この痛みを何とかしてほしい”ということであることはいうまでもありません。
しかし、痛みの治療にも段階というか順序のようなものがあります。
○痛みによる不眠を解消していただきます
痛みのためによるほとんど寝られないとおっしゃる方が見えます。まずは安眠を確保していただけるようなレベルまで除痛します。
○じっとしている時の痛みを解消していただきます
次の目標は安静時に痛みを感じないレベルまでの除痛を目標におきます。こうすることで最低でも自宅で安静にしていられるためです。
○活動時の痛みを解消していただきます
最終的には当然このような目標になるのです。
もちろん病状によってこの通りにならないことはありますが、おおむねこのように目標を立てていただいて間違いはないと思います。
9月
22
2009
腰痛の代表的な原因のひとつである椎間板ヘルニア。このヘルニアになった方に聞くと“重いものを持った時から痛みが出てきた”と言われることが多いように思います。
でも、仕事柄重いものを持つ機会が多い方はどうすればいいのでしょうか?
○膝を曲げて持ち上げましょう
ダンボール詰めされた荷物を持ち上げるときなどヘルニアの経験がある方は“またやってしまはないか…?”と一瞬心配になります。そんな時は膝を曲げた状態で持ち上げることをおすすめします。そして腕を軽く曲げてください。この持ち上げ方が危険度を低下させるといわれています。
つまり上半身ではなく下半身に力を入れる気持ちで持ち上げると、あの恐怖から解放されるのです。
9月
21
2009
痛みの病気を抱えている方から「雨が降る前に痛みがひどくなる」といったことを聞くことがあります。「台風がどのあたりにいるか予想がつく」という方さえいらっしゃいます。これはどういうことでしょうか。
○温度・湿度・気圧の変化
温度や湿度・気圧の変化が、痛みが伝わる過程を変化させているからだと考えられています。しかも痛みの病気を抱えておられる患者様は痛みに過敏な状態にあり、この変化をより強く感じ取ってしまいます。それゆえに身体症状としての痛みが天候に左右されてしまうのです。
9月
20
2009
当院では腰椎椎間板ヘルニアに腰部硬膜外ブロックという神経ブロック注射をさせていただいております。
では、どうして神経ブロックで痛みが軽くなるのでしょうか。
○神経の洗浄で痛みを軽減
ヘルニアの痛みは飛び出したヘルニアが神経を圧迫することによる痛みだけでなく、圧迫されている神経の炎症症状が原因でもあります。この炎症症状は内服薬ではなかなか除去できません。しかし神経ブロックはその部分の血行を改善させ、その結果炎症を起こしていた化学物質が洗い流されて痛みが改善されるのです。もちろん硬膜外ブロックには局所麻酔薬が入っているので、直接痛みをブロックもします。
硬膜外ブロック注射はとても優れた治療方法なのです。
9月
19
2009
今や国民の3割が服用していると言われているサプリメント。実に多種多様のものが存在しているようです。
今日はサプリメントと神経ブロックとの関係のお話です。
サプリメントの中には出血が止まりにくくなる作用を有しているものがあります。例えば主にイチョウ葉・ジンジャー(生姜)・朝鮮人参・ガーリックなどのエキスが入っているものがこれに当たるのですが、これらはもともとある血液が固まる作用であるとか、出欠を止める作用を阻害します。神経ブロック注射は身体の奥の方に針を刺すため、内部の細かい血管を貫いて針が進むことはよくあることです。その時上記のようなサプリメントを飲んでいると内出血が止まりにくくなります。その内出血が近くの神経を圧迫すると、圧迫される神経によってはマヒが起こり、後遺症となって手足が動かなくなるケースがあります。なのでブロック注射を希望される方はサプリメントを中止していただかなくてはなりません。
当院にてブロック注射を希望される方は、この点にご注意願います。
9月
18
2009
まだまだ新型インフルエンザの猛威が止まりません。今日はインフル対策としての消毒のお話です。
次亜塩素酸ナトリウム(sodium hypochlorite)とは特異な臭気(いわゆるプールの臭いや漂白剤の臭いと言われる臭い)のある、酸化作用、漂白作用、殺菌作用がある消毒剤です。
家庭用に販売されている商品としては、液体の塩素系漂白剤、殺菌剤(洗濯用、キッチン用、ほ乳ビンの殺菌用など)などに馴染みがあるかと思います。
医療機関などで消毒薬として使用されることも多く、各種細菌やウイルスに効果を示すため、医療器具の消毒に使用されています。新型インフルはもちろんのこと、冬季小児の感染性の嘔吐下痢であるロタウイルスにも効果があるとされています。
また、手荒れの心配があるかと思いますが、手指を消毒するための濃度であればまず心配はありません。
当院でも待ち合玄関に次亜塩素酸消毒液を設置いたしました。インフルエンザの猛威がまだまだ止まりません。手指の消毒を習慣づけましょう。
9月
17
2009
“帯状疱疹が1周したら死んでしまう”という言い伝えは日本だけでなくヨーロッパにもあるそうです。もちろんこれは迷信でありそんなことはないのですが、ではいったいどうしてこんなことがいい伝えとして残ってしまったのでしょう。
帯状疱疹の痛みは死ぬほど痛いというイメージが一般的に根付いています。事実患者様は触っただけでも痛くて仕方ないというしぐさをされます。これが“死んでしまう”という迷信につながってしまったと考えられています。また帯状疱疹は免疫能力が低下した方に起こりやすいので、癌にかかった方などが発症することもあり、そんなことが迷信に真実味を与えてしまったとも考えられます。
ではこの“死ぬほどの痛み”とはどんなものでしょうか。帯状疱疹にかかると小さな水ぶくれを伴った赤い帯状の発疹が胴体や首に出現します。それに伴いピリピリとした鋭い痛みが感じられます。これが死ぬほどの痛みと表現される痛みなのです。また、まれにこの痛みが何十年という長期にわたって続いてしまうことがあります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。この痛みの治療はとても難渋しますし、患者様も大変な苦痛を味わいます。
では長期に痛み続かないようにするための方策が必要となってきますよね?
それは帯状疱疹に罹ってしまわれたら、なるべく早く痛みの治療も並行して行うことです。医学的に痛みの治療が速いほど、帯状疱疹後神経痛に移行しにくいとされています。
当院では帯状疱疹後神経痛に対して神経ブロック治療をさせていただいております。
帯状疱疹にかかられている方、帯状疱疹後神経痛に悩まされている方は一度神経ブロック療法を検討されてはいかがですか。
9月
16
2009
ときどき患者様からそのように聞かれることがあります。子供のころ“男の子なんだから我慢しなさい!”なんて言われたことがあるので、なんとなくそう思っておられるのかもしれません。
本当に痛みは我慢すべきものなのでしょうか。
その答えを解きほぐしていくために、まずはどうして人間には痛みという感覚があるのかを知る必要があります。
○痛みは警報
痛みは身体に迫ってくる障害をいち早く察知して、警告をする重要な役割をしています。しかし警告が終われば痛みは必要のないものであり、単に苦しい嫌なものでしかなくなるのです。
○無駄な痛み
では、痛みが持続する場合はどうなるのでしょうか?
警告が終わった後の痛みは“痛み”という情報が様々なところに伝わり、結果的に内分泌機能・循環機能・呼吸機能のバランスを壊したり、食欲や睡眠をさまたげたり精神的に憂鬱な気分にさせたり活動性を低下させたりします。
警告以外の痛みは無駄な痛みといえるでしょう。
○痛みが“いたみ”を呼んでくる
痛みが持続するともう一つの問題点があります。それは痛みがあることでさらに新しい痛みの原因を作りだしたり、痛みを構築する機構が呼び起こされたりすることです。このことで“痛みの病気”という新たな病気になってしまうことが問題なのです。そしてこの痛みの病気がさらに痛みを呼んできてしまい、はては痛みの悪循環を作り上げてしまうことすらあるのです。
このようなことから、痛みは我慢せず積極的に治療すべきなのです
9月
15
2009
インターネットで検索すると椎間板ヘルニアの治療法がたくさん出てきます。手術・内服薬・貼り薬…。どうしてこんなに出てくるのでしょうか。
○病状によって治療法を変えて臨まなければならない。
ひとくちに椎間板ヘルニアといっても病状の程度はさまざまです。“この腰痛困ったな
あ~”といった程度から“生活も仕事も支障が出ているよ”といった程度、さらには
“歩けなくなってきた”という程度までじつに様々なのです。そのさまざまな程度に合わせて治療法が選択されます。
では、なぜ症状に合わせた治療法があるのでしょうか。
それは“完璧な治療法が存在しないから”です。例えば患者様が手術を受けられると
き、術後は腰痛からの完全な解放を予想されることでしょう。しかし、現実はそうは
うまくはいきません。思ったように痛みがとれない場合や、逆に悪化するケースも見
られます。
ということは、手術をすべきか否かじっくり検討する必要があります。
同じように神経ブロックにも適応というものがあります。これは効果があるかという点と、ブロック治療でとどめておいていいものなのかという点です。
以上のようなことから治療法はさまざまあるのです。