8月 02 2010
高齢者の方の嚥下障害~お薬を飲むとき、むせませんか?~
おもちをのどに詰まらせお亡くなりになる…毎年お正月になるとよく耳にする話題です。人は歳をとると物を飲み込む機能が弱まったり、うまくいかなくなったりします。
今日はお年寄りの飲み込む機能、嚥下機能の障害のお話です。
○原因は年齢的な衰えだけではありません
人は75歳以上では飲み込む機能はかなり衰えると言われています。飲み込むという運動がしにくくなるのです。また飲み込む際に持ち上がり、気管の方に者が入っていかないようにする喉頭が下垂して、より誤嚥を起こしやすくなります。
また脳神経疾患を患うのもよくありません。飲み込むという命令をするのは脳神経なので当然といえますね。
このように、いろいろな原因で飲み込み機能は衰えます。
○どのようにして診断するのでしょうか?
なかなか世間的認知度の低い疾患ですので、患者さまの病識も薄い場合が多いと思われます。すこしでもむせることが多い方には『お薬を飲む際に、むせませんか?』とお聞きします。水と薬の混合は飲みにくいので、よりむせやすいのです。
また診断をより確定するのは内視鏡検査があります。食べ物の通り具合を見て診断します。それともう一つが嚥下造影というものです。造影剤を飲み込むところを放射線撮影するのです。
○治療法は…?
治療法は主にはリハビリテーションということになります。口や舌の筋肉を鍛えることと喉頭を持ち上げる首の筋肉を鍛えることになります。
また副作用として咳が出るような薬を服用することで治療法とする場合もあります。
○予防法は…?
では、まだ飲み込み機能が正常な方が将来に備えるにはどうしたらいいでしょうか?
ひとつに歯磨きをすることです。歯磨きで口の中の筋肉を刺激するのです。またうがいも良いと言われています。うがいでのどの筋肉を使うのです。
そしてもう一つは…歌うのがいいのだそうです。
いずれもチョットしたことなので、すぐにでも実践できそうですね。
今日は飲み込み障害のお話でした。
