7月 26 2010
ワクチンや風邪の後で…
ワクチン接種後や風邪をひいた数日後に、皮膚が赤くなったとか水ぶくれができたといった心配になる症状を経験された方も見えるかと思います。
今日はその“ちょっと心配になってくる”症状についてのお話です。
○じん麻疹や多形紅斑が考えられます
ワクチン接種後や風邪をひいた数日後に水ぶくれができて来ることがあります。数日あるいは1週間くらい後に起こってくるのですが、多くの場合じん麻しんと同じ病態でほとんど常色です。そしてきれいにあとかたもなく治癒します。しかしその一方で多形紅斑というものもあります。多形紅斑は水ぶくれそのものが赤く治癒後に色素沈着を起こすという特徴があります。しかし、両者を鑑別するのは大変に困難です。
○どのように区別したらいいのでしょうか?
どちらも子どもに多いのですが、じん麻しんは24時間以内に跡形もなく消えて治癒します。しかし、多形紅斑は環状の紅斑が広がっていき、24時間以上たって色素沈着を残しての治癒となります。
つまり持続時間と水ぶくれやその周囲の発赤の強さの度合いが鑑別するポイントとなります。
○多形紅斑は要注意です
多形紅斑はとても怖い病態であると言えます。紅斑が急速に拡大していき、高熱を出す場合は要注意です。スティーブンス・ジョンソン症候群やTENといった皮膚科専門医による厳重な治療を必要とする病態へ移行している証拠なのです。
この続きであ治療などは次回になります。
