7月 10 2010
脳動脈りゅうの治療適応…大きさに応じて決まります。
○手術の適応と危険性を教えてください
手術の適応は瘤の大きさで決まります。瘤が大きくなるほど破裂する可能性が高くなるからです。
○5mm以下は…?
瘤が5mm以下の場合破裂する確率が0.7%以下なので基本的には手術は行いません。しかし、小さくてもたくさん瘤がある場合や家族に破裂してしまった方がある場合は手術されることをお勧めします。
○5~10mmの場合
瘤が5~10mmの場合破裂する確率が2~3%になります。しかし、手術や検査においての危険性も2~3%なので、手術をするか否かという点では悩みますね。これは患者さまに選んで頂く方が良いと思います。
○10mm以上の場合
この場合は“絶対適応”と言っていいのではないかと思います。破裂の確率は8%以上になってきます。
ただし大きさ以外にも年齢とかバイタリティーといった要素はあります。あまりにも高年齢の方に10mmあるからといって手術を勧めても、手術自体がストレスになることが考えられますし、若い方では小さくても今後大きく育ってしまう可能性を考えて手術を勧められることはあります。
○ほかの症状が出てきた場合
瘤がまわりの脳に影響をして物が二重に見えてきたり見える範囲が狭まってきたりといった症状が出てきた場合は手術をした方が良いと思われます。それは瘤が育ってきている証拠なので破裂の危険があります。
○小さい瘤の場合の今後のフォロー
見つかった瘤が小さい場合、今後大きく育ってくるのではという心配がありますね。その場合1年に1回検査を受けてください。
また“私は爆弾を抱えている”といわんばかりに心配し、時に鬱になってしまう方が見えます。しかし普段通りの生活をしていれば何も心配はありません。必要以上に意識しすぎないほうが良いと思います。
脳動脈瘤はきちんと対応していれば何も怖いことはありません。しっかりした信頼のおける脳神経外科医に相談されるのが良いでしょうね。
