4月 27 2010
発熱と食欲不振をともなう腰痛ならば…
腰痛は日本人が日頃感じる症状の男性では1位、女性では肩こりに続いて2位となっています。だれしも腰痛といえば腰椎椎間板ヘルニアなどの整形外科的疾患を思い浮かべる方も多いことでしょう。しかし、腰痛だからといって他の疾患を否定するにはちゃんとした診断が大切です
○後腹膜臓器の疾患は大変に恐ろしいものです
腰痛を症状とする疾患には消化器疾患もあります。胃腸が腰のすぐ近くにあることを考えれば、ご理解いただき易いかと思います。その消化器の疾患でも腰痛を呈しやすいのが後腹膜の疾患です。後腹膜にある消化器とは膵臓のことであり、腰痛を呈するすい臓疾患ではすなわち膵臓癌を考えねばなりません。
○腰痛を呈する消化器疾患の特徴
腰痛を呈する消化器疾患を見逃さないための診察所見として『発熱・食欲不振をともなう腰痛』という考え方があります。この症状を伴う場合、消化器疾患由来の腰痛であることが多いと言われています。
また痛みの範囲をしっかり特定することも重要です。背中の方が痛いのか、背中の方まで痛いのか…。
これら問診によって疾患が絞り込まれていくのです