11月 14 2010
高尿酸血症の治療上の注意…正しい治療とその注意点
尿酸値が高いと健康診断の時に指摘されたことがある方は多いと思います。今日はその高尿酸血症の治療とその注意点についてのお話です
○尿酸/クレアチニン比が大切です
高尿酸血症には「尿酸産生亢進型」と「尿酸排泄低下型」があると言いましたね。それぞれの型に合わせた治療が必要です。しかし高尿酸血症はどこも痛くも痒くもありません。そうなるとご自分がどちらの型なのか分かりにくいと思います。
そこで検査が必要となります。
尿検査をさせていただき、尿の中の尿酸/クレアチニン比というデータをとらせていただきます。その結果比率が0.5以上なら産生亢進型、以下なら排泄低下型と診断できます。
この結果をもって、飲んでいただくお薬を決めていきます。
○検査をせずに治療した場合…
では検査をせずにお薬を飲まれたら、どうなるのでしょうか?
尿酸を産生しないように働くお薬「尿酸生成抑制薬」は結論から申しますと、どちらの方に使っても異常をきたすことはありません。しかし、狙いを間違えているわけですから、効果は低いと思われます。
しかし尿酸排泄を促す「尿酸排泄促進薬」は違います。このお薬は身体からどんどん尿酸を出してしまおう、というお薬です。どこから出すかというと、尿です。ということは尿の中の尿酸が多くなることになります。その結果尿路結石を作りやすくなってしまうのです。
では尿路結石を作らないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか?
「排泄低下型」の患者さまは尿路結石の」危険を背負いながらお薬をのんでいただくのでしょうか?
勿論違います。尿のアルカリ化するお薬と一緒に飲んでいただけば、大丈夫です。
また尿酸排泄促進薬は肝臓を痛めるという報告があります。それゆえ定期的な血液検査などを行いながら飲んでいただくということが大切になってきます。
今日は高尿酸血症の治療とその注意点のお話でした。